草花模様 乾山小皿 六枚
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今日はまだましかしら
清家正信『先斗町』(2016)から、あや葉さん
メディアショップ
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お世話になっているメディアショップ(河原町三条下ル東入)のスペースがVOXビルの中央に移動している。これにともない書棚の並びも変わり気が付かなかった本や雑誌を幾つか手にとった。そのうちの一つ、マン・レイに関する2008年ベルリン開催の展覧会カタログから案内状(21.1☓10.5cm)が現れた。これは欧州での巡回展カタログなので何冊も架蔵するのだけど、エフェメラが含まれているとなると新たに買い求めないわけにいかない(廉価だしね)。---メディアショップには、珍しいマン・レイカタログも何点が置かれているので興味ある方にはお薦め。尚、1階に続き、2階もレンタルギャラリーとなっている。
『クルエティス』5号 特集メレット・オッペンハイムとマン・レイ 1977年
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大判(44 ☓ 34cm)の写真雑誌(?)が出たのは今から40年以上前の事で、刊行を知ってすぐに注文したのを思い出す。シュルレアリスムの画家、メレット・オッペンハイムの水着姿がエロティックで楽しい頁が展開していた。雑誌はポンピドゥ・センター裏にあった画廊クリエティスが出していたシリーズ(1976-82年、全18号)の第5号で、ミノトール誌に発表されたプレス機に寄り添うマン・レイの有名な写真などの裏話についてメレットが答えている。
「そうね、彼がマルクーシスの工房へ行かないかと誘って、裸體になるかどうかと聞かれたかは覚えていない。本当ですよ。」
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メレットが買い求めた「素敵な白い水着」にどんな経緯があったのだろう、京都では炎暑続く毎日が始まっている、僕の海水パンツ何処にいったかしら---
八坂神社・疫神社の夏越祭で祇園祭も終わります。猛暑の毎日ですね。今年は粽を授かるのに難儀しました。13日の夕方長刀鉾に行く予定でいたところFB友達のSさんが烏丸通りの錦小路辺りまで行列が続いていると10時32分にアップされているので、うろたえた。土曜日のためかもしれないが、逃すと災がおとずれそう。日曜日は9時から発売なので、30分以上前に並び無事に頂き、町会所、鉾とお邪魔し帰宅。
今年の異常はどうしてかと訝ったら、一部の購入者がメルカリなどのネットショップへ高額で出品している模様。大量に買い求める人もいると聞いた。東京での御札争奪戦が京都にも蔓延し始め、これからは授かるのも困難になると思われる。拙宅の玄関で毎年新しい「緑」に掛けかえる願い事が心無い人のために、続けられなくなる時代になってしまうとは嘆かわしい。
行列は続く
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長刀鉾 三条下鍛冶宗近像
GETZ/GILBERTO Recorded March 18 & 19, 1963 in New York
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暑くなるとボサ・ノヴァを聴いてしまう。ゲッツのテナー、ジョビンのピアノ、そしてジルベルトのギターに甘い声。B面の「コルコヴァド」「ソ・ダンソ・サンバ」と続いて良いですね、汗を気にしながらの銀紙書房から開放される感覚です。昔からの好みですがレコードを勧めてくれた中部学生写真連盟時代の先輩・杉山茂太さんを思い出します。今年も作業をしながら聴いていますが、ジョアンがリオ・デ・ジャネイロの自宅で今月6日、死去されたとの報を外伝で知った。享年88。今朝の読売新聞に寄せた追悼文で中村善郎さんが「エアコンが演奏の邪魔になる---として止めさせた」と云う「気難しい天才にありがちな逸話」を紹介されている。それで、又、聴いている。汗は用紙の大敵、製本作業にエアコンは必需品。汗をかきに散歩に出掛けますか。健康第一です。なんとか、朝顔も咲きました。
『眠り姫物語』の本文印刷がおよそ一週間で終了。240頁なので印刷は1冊につき120回、これに色彩22頁が付くので142回、25冊で3,550回の印刷出力となります。前回から使っているPX-049Aは廉価ながら給紙機構が背面側なのでミスが少なく、画像頁の両面印刷汚れも乾燥一晩を設けてのりきりました。ヘッド汚れ、インク残量ロスなどクリーニングしながらの印刷工、経営者(?)としてはインク代に悲鳴をあげました。
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この後は、頁折、丁付、パピヨン縢り。カットもしなければなりませんので汗対策が急務です。暑くなっていますね。
チラシ 二つ折り
東京・パナソニック汐留美術館から巡回してきた『ギュスターヴ・モロー サロメと宿命の女たち』展が大阪・あべのハルカス美術館で開催されている(9月23日迄)。ブルトン繋がりで特別の存在となっているモローが描く宿命の女たちが気になっていた。展望を楽しんだ事はあるが美術館を訪問するのは初体験、そして、百貨店隣接の会場体験は久しぶり、お客さんが多く驚く。モローって人気あったっけ。
彼の空間認識には時間を含む重層感があって、絵肌と観者との関係が理想的になっている。上手いと云うのではなくて、なんでしょうね、裸体の腰のねじれ具合が下肢と上肢連動で堂々としたボリューム、足の親指と人差し指との開きが大きくとられ、生身と云うより彫刻的な安定感、不思議な視覚体験をもたらしてくれた。
会場入口 キャッチ・コピーは今ひとつ
以下は気になった作品の備忘録(作品名では特定できないのでリスト番号も併記) No.3『自画像』頬の髭は加筆かしら。 No.29『アレクサンドリーヌ・デュルー』右足が気にかかる。No.36『洗礼者聖ヨハネの斬首』首のない死体が床に溶けていく。No.46『サロメ』色彩。 No.62『出現』(142☓103cm) 背景の文様はロマネスク美術「比較彫刻美術館アルバム」(1897)の写真をトレースして最晩年加筆、霊の存在を意識させるほど時間と空間を感じさせる。No.99『サロメ』(180☓90cm)歴史画から変化し画布の表面に宝石の髪飾りが盛り上がる立体感がすごい。No.116『メディアとイアソン』 英雄イアソンの性器、小さく描きすぎていませんか。などなど、
尚、モロー展は福岡市美術館に巡回し2019年10月1日(火)から11月24日(日)まで開催される。ブルトンのように深夜ただ一人となってパリで観たいですね、
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Exhibition of SURREALISM IN MEXICO Catalogue 29.2☓24.1cm PP.136
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イギリス周遊のブログをしばらく続けていた関係で報告の機会を逃した展覧会が幾つかある。その一つがニューヨーク・マディソン街のDI DONNA画廊で催された『メキシコのシュルレアリスム』展(4/26-6/28)。フリーダ・カーロやレオノーラ・キャリントンのミュージアムピースが出品される豪華なラインナップだったらしく、ハードカバーのカタログも発行されている。個人的にはジャクリーヌと言葉を交わすリベラ、ブルトン、トロッキーの写真(1938)からのつながりを思う同地のシュルレアリスムだが、マッタやパーレンの他、カタログには初見となるESTEBAN FRANCÉS(1913-1976)、GUNTHER GERZSO(1915-2000)、GORDON ONSLOW FORD(1912-2003)らの作品も掲載されている。豊かなメキシコのシュルレアリスム、画廊の展示風景をネットで確認しながら、マン・レイが撮った「Alice Rahon」(ca.1930)の肖像に思いを馳せてしまう、個人蔵ですって----
画廊の展示風景、左から四番目がマン・レイの写真。(画廊サイトから引用)
チラシ
京都駅八条口から観光バスに乗って1時間あまり、うつらうつらしながら信楽の自然に包まれた美術館に連れて行ってもらった。今日は『紫香楽宮と甲賀の神仏』展の内覧会。宗教法人・神慈秀明会のコレクションを公開するMIHO MUSEUMでの夏季特別展との事で会期は7月27日(土)から9月1日(日)まで。「聖武天皇によって8世紀半ばに甲賀の地で紫香楽宮が造営されていた」なんて知りませんでした。
まずは、レセプション棟のPeach Valleyで夏野菜そうめんをいただく。美術鑑賞前に食事を摂るのはご法度なんだけど、空腹には勝てません。
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美術館棟までは徒歩で7,8分 テーマパークのような電気自動車で向かいます。トンネルの中はひんやりと気持ちよい。
正面に美術館棟。設計はルーヴル美術館のガラスのピラミッドも手がけたI.M.ペイ、自然と調和させるために建物のほとんどが「地中に埋設」されている。今回の特別展示では、藤原広嗣の乱(740)以降の5年にわたる宮都の放浪(恭仁京、難波京)の最後の地となった紫香楽宮放棄の謎が近年の発掘調査によって解き明かされつつあり、その成果を一同に紹介すると云う。
わたしの場合は、考古学よりも美術への関心、写経には太刀打ちできないが、チラシで紹介されている『金銅誕生釈迦仏立像』の微笑みが良い感じ。現代美術だと思ったのが『塑造金剛蔵王立像心木』、荒縄を巻き粘土で作成し塑像とする基となる心木、解説によれぱ「蔵王権現が脚を大きく蹴り上げる姿勢」らしい。迫力に押されていると木造僧形のみなさんのお顔が健やかで心洗われます。朽ち果てていく木材の命とはなんだろう。合掌。
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美術館の常設コレクションに圧倒された。すごすぎて言葉が出ない、帰りはレセプション棟まで歩いた。風もあって気持ち良い。
表面 257☓182cm pp.122 制作200部 非売品
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ある方から、版画家の篠原佳尾旧蔵資料を紹介する貴重なドキメントが、和光大学の三上豊教授(近現代美術史)の編集で刊行されたと教えてもらった。そして、本日拝受(深謝)。篠原の展覧会葉書の表・裏面に挟まって冊子が生き生きとした顔立ちをしているから、これはただ事ではないと予感。ページを進んでみると展覧会エフェメラ類に異常に惹かれる小生として、たくさんの刺激を頂く展開となった。三上教授は古書目録の美術項目について「書籍から図録へ、エフェメラへと市場の巾が広がってきた」と指摘され、この関連から本冊子の性格が構成されていったらしい。三上教授の研究領域や成果を知る立場にはないが、巻頭の言葉に「紙片資料は、どこかへ飛んでいくことがその使命で、まとまることをきらう気味があるようだ」とあって、同病相憐れむ、いやいや、大変だなと思ってしまった。銀紙書房の『眠り姫物語』の次は、日本におけるマン・レイ受容史を予定するので、有り難い出会いである。
裏面
後祭の巡行も無事に終わり、今頃はお神輿の還幸祭、そろそろ、三条通商店街の又旅社に三基のお神輿が勢揃いしているだろうか---。今年は銀紙書房本の印刷工程に入った関係で、プリンターから離れられず、拙宅で鷹鉾の唐櫃巡行をテレビ鑑賞、FB友達の最新書き込みなどで臨場感を味わっております。関西地方も梅雨明けだそうですが、夕立三日、粽を飾り変え新しい気持ちで、まいりましょう。
銀紙書房の新刊『眠り姫物語』は、7冊の印刷(内3冊はパヒヨン縢りまで)を終え、量産工程(大げさ)の印刷出力に入っております。今回はカラー22図としているのでインクの消費が半端でありません。近くの家電量販店に日参していますが、順調に作業を進めて8月中の刊行を目指しております。限定25部、240頁、準備が整えば、このブログで第一報をさせていただこうと思っております。