健康ライド at 鴨川

2021.10.1(金)

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北大路橋 加茂川下流

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 本州から東にそれた台風16号。京都は風が強いものの、気温は最高で28度、汗ばむこともなくサイクリングには良い塩梅。鞍馬口での用事を済ませ北大路通から高野川を越え恵文社へ(久方ぶりの訪問)。叡電撮り鉄パチリの後、萩書房、紫陽書房、欧文堂と絵葉書探し。


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高野カトリック教会

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恵文社

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賀茂大橋 鴨川下流

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 鴨川西岸を四条まで、気持ちよく走りました。四条の階段はオッチラになりますが。ペダル漕きでも歩数は7,128をカウント。10月の良いスタートとなりました。

 

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温習会

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本日から6日まで祇園甲部の歌舞練場で、芸妓、舞妓さんが日々の稽古のおさらい、研鑽の成果を発表する「温習会」が催される。厳しい稽古で知られる井上流の皆さん方の美しい舞を堪能したいところですが、昨今の情勢を配慮し「各回定員70名」との事。手まり唄から、常磐の老松、あるいは、夢の白川への演目、浄瑠璃、三味線 よろしおすな。

 

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『詩人の肖像』林哲夫作品展

10月になってしまいました。

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案内状 10 × 14.8 cm

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 林画伯の個展『詩人の肖像』が明日2日(土)から始まります(13日(水)迄)。会場の「メリーゴーランドKYOTO」の入る寿ビルは、1927年竣工の鉄筋コンクリート造り地上5階塔屋根付オフィスビル。古典様式の立面構成を有し京都市京セラ美術館で開催中の『モダン建築の京都』展関連図書でも紹介されている国登録有形文化財。画伯の近作油彩、水彩、コラージュ、古本と共に、合わせて楽しめたらと思う。 

 個展の様子は後日、紹介したい。まずは、お天気が心配ですね。

初日に拝見 → https://manrayist.hateblo.jp/entry/2021/10/03/060000

『マルセル・デュシャン』展 at MONO ART GALLERY

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案内葉書 15×10.5cm at MONO ART GALLERY、1980

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裏面には、マルセル・デュシャン 開廊5周年記念展

「この展覧会は私が10年間あたためつづけて、この度やっと実現の運びになったものです。一見してはキミョウな作品ですが、皆様にぜひ御高覧頂きたくご案内申し上げます。 竹村元男」とあります。

 展覧会から41年、いろいろありましたが「キミョウ」と思う人は、もういないでしょうね。そういえば、先年、美術関係者であるものの「デュシャンなんて」と冷ややかなフランス女性とビールを呑みました。若くて美人で教養のある人でしたが(ハハ)

 

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ギャラリーセンタービル7階 中央区銀座6-3-2

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 Facebookに国際的なマルセル・デュシャンのファンクラブ(1971年スタート、現時点でメンバー4,766人)があるので、この日本での受容をアップしたところ「イイネ」65人、「コメント」7件の反応だった。公開クラブで運用されているが「自己宣伝、スパム、無関係リンク」はご法度、気楽にマイペースで極東のデュシャンピアンたちを紹介していきたいと思う。

デザートあれこれ -2

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アプリコットケーキ、ホイップクリーム添え at シュティフトレストラン・メルク(昼)

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アイスクリーム、ウエハース添え at ハルシュタット(昼)

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レモンパイ at ゴッサー・ブルワリー・グラーツ(夜)

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ロールケーキ2種とチーズケーキ、ホイップクリーム添え at ホテル・ヨーロッパ(昼)

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 シュロスベルク山からグラーツ市街を望む。手前のムーア川には御洒落な憩いのスペースのアイオラ・アイランド・ブリッジ、左に進むと奇抜な外見を持つ現代美術館クンストハウス・グラーツ。赤い屋根に映えております。

デザートあれこれ

先日(9月5日)、「ビールが呑みたい」と訴えてイギリス旅行を振り返り、続いてオーストリア編をと写真を見ていたら、この地ではスパークリングと白ワインの旅だった。そろそろ、甘さタップリのデザートを堪能したいとバーチャル食後パチリに参入、ほっこりになれる、ボリューミーなお皿を、三回にわけて報告したい。

 

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Postkarte 8.9 × 14 cm Salzburg vom Restaurant >Elektr. Autzug< aus. ca. 1920

 オーストリアザルツブルグにあるレストラン「エレクトリック」からの眺め。1920年代。画面の右に現在の祝祭大劇場、左に小さくモーツアルトの生家のあるゲトライデ通り、そして、ザルツブルグ大聖堂。遠景には丘の上にかけてホーエンザルツブルグ城と続く。

 

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アップルパイ at アリーナシティホテルザルツブルグ(夜)

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アイスクリーム at ヒルシェンヴィルト(昼)

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紅白二色アイスクリーム、ブドウとホウズキ添え at シュテルンブロイ(夜)

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健康ライド at 哲学の道

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ほんと気持ちの良いサイクリング日和ですな。岡崎神社前のドイツパンの名店、ベッカイペルケオで、熱々のラウゲンブレッツェル(お一人様3本まで)を求め哲学の道をブラブラと銀閣寺まで、緑の塩梅は、いまひとつかな。

 

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哲学の道

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鴨川東岸

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荒神橋より

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 古本屋を覗き、緑寿庵清水前からゲーテ・インスティトゥートを抜け、荒神橋を渡って寺町側、いつものルートで帰宅。下りですから楽ちんですな。

『仮面』ハワイ諸島

今朝方『マン・レイのタブローと島々のオブジェ』展案内状を紹介したのが呼び水となったのか、マン・レイが撮った仮面と同種の「鳥の羽飾りで覆われた戦神の仮面」をとらえた絵葉書をT書店で見つけた。普段は買わないけど、何か暗号が出ているのかしら。英国国立博物館民俗ギャラリー蔵との事。ネットで確認すると、眼は真珠貝、使われた鳥はピンクの長くカーブしたくちばしに赤い羽根のイイヴィ(べニハワイミツスイ)と、愛くるしい目に純白の羽根のマヌオクー(シロアジサシ)の二種。

 

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『仮面』ハワイ諸島 13.8 × 9 cm

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 マン・レイの写真は2014年11月のサザビーズ・オークションにLot.146で出品されていた。予価14,000〜18,000のところ、落札価格は25,000ユーロだった。出品解説に1930年代、トロカデロ美術館で撮影したハワイのオブジェで、現在はルーブル美術館に所蔵されているとある。とすると、マン・レイによる所蔵品の写真葉書が発見できるかもしれませんな。夢ばかりが膨らみます。

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 下段の着彩絵葉書はフランス・アンティーブ近くの海岸、ジュアン・レ・パンのもの。1926年に開業した同地の有名ホテル、ル・プロヴァンサルには、チャリー・チャップリンリリアン・ハーヴェイなどの映画人の他、マン・レイなども逗留したと云う。

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8.9 × 13.7 cm

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同じくT書店で求めた。宛先は1888年生まれの著名な経済学者故小島昌太郎氏だろうか。

『マン・レイのタブローと島々のオブジェ展』 at シュルレアリスム画廊

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マン・レイのタブローと島々のオブジェ』展案内カード 9.3 × 13.4 cm 片面刷り

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裏面

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 京都産業大学の長谷川晶子さんが「アンドレ・ブルトンが企画したとされる『マン・レイのタブローと島々のオブジェ』(1926年3月26日〜4月10日)はシュルレアリスム画廊のオープニングを記念する展覧会であることから、その展示方法は念入りに構想されたはずだ。展示室の写真もこれに関する詳細な証言も残されていない----」(水声通信23号、2008年)。氏の論考は「シュルレアリスムにとって、展覧会は作品、雑誌と並ぶ重要な表現媒体だった」(同)と書き始められているので、わたしは嬉しく、同時期の「植民地博覧会」や「反植民地博覧会」などとの関連を記述され極めて興味深い。このブログでは一助として架蔵するシュルレアリスム画廊の開廊案内カードを紹介したい。 
 ブルトンの『シュルレアリスム宣言』の表紙の色ではありませんかと思ったので、カード探したのですよ、何十年も(大げさ)。展覧会のカタログはたまに市場に出るけど、エフェメラは紙くずみたいで、だれも手に取らない、なので、残らない。パーティーの招待状みたいで、印刷所の残紙で刷ったのかと想像するのが楽しいのですよ、臨場感があって。

 

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2019年4月のジャック・カロット街(グーグルストリートビューから引用) カルチェラタンの有名なカフェ・パレット、この建物か隣接するクリーム色の画廊かが、シュルレアリスム画廊のあったところですな。 

 1926年3月26日の真夜中、「Minuit」とすると夜の12時半でしたっけ、「太陽も川の流れも地球も、鏡の裏箔も星々もない、苦情も祖国も何もない、疲れを知らず心なく単純で貴方もいない」(意訳) 無い無い尽くしの世界へ突撃するのは、興奮するでしょうね。

 

 

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● 拙宅近くの京都産業大学ギャラリーで開催されている『シュルレアリスムと雑誌』展に刺激され、石原コレクションでのミニ展示を試みた。左より1965年のシュルレアリスム展『絶対の隔離』ポスター、『マン・レイのタブローと島々のオブジェ』展(1926年)の案内カード、そして、学生さんたちが造られた産大のチラシ。 FBでも先日紹介 →

https://www.facebook.com/teruo.ishihara.5/posts/4295396407204086

『国際稀覯本と美術品見本市』at グランパレ・エフェメール

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 24日〜26日の3日間、グランパレで開かれる第1回「国際稀覯本と美術品見本市」の案内をメール添付で頂いた。マン・レイのオブジェ「Pain Peint」(パン・パン)が貼り付いた経本仕立てのイオラス画廊カタログが使われているので、とても気になった訳(小生、架蔵していますが、これ珍しい)。出品されている「クロエとオザンヌ」の古書店をグーグルで確認しました。何があるのでしょう、気になりますね。

 

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店舗はパリ5区、モンジュ通り21番地

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上掲画像3点はグーグル・ストリートビューより引用

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 「国際稀覯本と美術品見本市」の案内によると、会場のエフェメールは新しく整備された壮大なスペース(2004年夏開催のオリンピック・柔道、レスリングなどの会場に予定)で、200以上の出品者が、わたしたちを迎えるてくれると云う。行きたいですな。

 さて、一昨日、報告した「ゼミ展示『シュルレアリスムと雑誌』at 京都産業大学ギャラリー」に関連して、フランスの文化行政について一言。彼の地の国立図書館は積極的な収集活動を行っている。オークションにおいても、特別の購入権を持っており、鳶に油揚げで、落札品を泣く泣く手渡すコレクターの話を聞く。社会共通の文化遺産なのですな。グランパレのカタログ(PDF)を見ていると「2021年には、企業スポンサーと遺産基金の支援により、1785年にサド侯爵がバスティーユに投獄されていたときに執筆した『ソドムの百二十日』の手稿、アンドレ・ブルトンの『シュルレアリスム宣言』(1924年)と『シュルレアリスム第二宣言』(1930年)の手稿など、優れた資料がBnFのコレクションに加わりました」と報告されている。国家に入り売却されないものに分類されると云うから、終活を考える身には羨ましいですな。

ゼミ展示『シュルレアリスムと雑誌』at 京都産業大学ギャラリー

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京都産業大学壬生校地むすびわざ館2階 壬生川通松原下ル

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京都産業大学ギャラリー 

 

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チラシ(表) 29.7 × 21cm

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チラシ(裏)

 

● 小生の健康散歩コースに位置する京都産業大学ギャラリーで、シュルレアリスムの資料好きには堪えられない展覧会が昨日から始まった(9月21日〜10月2日)。長谷川晶子ゼミの学生(37名)らが企画されたもので、貴重図書を含めて24タイトル。展示は『シュルレアリスムと雑誌』と題して同大学図書館所蔵の『ミノトール』(1933-1939年)と『トリブル・ヴュー』(1942-1944年)を中心にシュルレアリスム運動をわかりやすく紹介している。大学文学部の学生減が顕著になった昨今、長谷川准教授による嬉しい関西での薔薇の開花と思う。対戦間のアメリカで英語を使うのを拒否し仏蘭西語でとおしたアンドレ・ブルトンの態度に、孤高の知性を感じる小生は、彼の著作が並ぶ空間に、特別の愛を感じるのです(大げさかしら)。
 同大学図書館所蔵は前述2冊の他にブルトン、スーポー共著による『磁場』(1920年、オ・サン・パレイユ版)とブルトンの『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』のサジテール版(1924
年)とクラ版(1929年)の2種。彼の地の戦前刊本は仮綴じ形式の限定部数刊で使用用紙を幾種類も変えた他、革装丁による化粧、著者自筆テキスト貼り込みなど、個体によって評価・希少性に差が生じ、書籍はテキストが読めれば良しとする態度とは異なる文化と時代背景を持っている。この点において、図書館蔵のものは、表紙にバーコードが付いた管理シールによって、書物のオーラをそぐ方向で生きながらえた感覚。雑誌の合本もしかり、動物園のゲージの中ですな(嘆いてはいけませんが)。

 個人所蔵のものは、稀覯本とは言えないかもしれないが、それぞれに現在に続く貴重な出会いの物語を秘め、研究やインスピレーションに寄与した幸福感と共に、ここにあるように思う。わたしの関心領域に近いものもあり、最近の復刻版による研究への貢献がひろく行われている状況を知ることができたのは、ありがたい。----『ナジャ』の手書き原稿ファクシミリ版が刊行されていたのは知らなかった。

 

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ブルトン『ナジャ』1928年と1964年

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『ナジャ』の手書き原稿ファクシミリ版 2019年

 

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右からポンピドゥー・センター『シュルレアリスム展』カタログ(2002年)、ブルトン狂気の愛』(1937年)、ロザリング・クラウスとジエーン・リヴィングストンによる『狂気の愛、写真とシュルレアリスム』(1985年)のマン・レイ作品を紹介する頁。

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左から『メキシコ、ニューヨーク』(2003年)、『メキシコ』(1939年)、『ポサダ』復刻版(1930/2012年)

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アンドレ・ブルトンシャルル・フーリエに捧げるオード』(1947年)

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 この展示で特筆しておきたいのは、ブルトンの肖像写真2点で、ジゼル・フルンによる1939年のもの(右)と、アンリ・カルティエ=ブレッソンがフォンテーヌ街で1961年に撮影したもの(左)。後者は近年、松本完治訳でエディション・イレーヌから刊行されたブレッソンブルトンによる『太陽王アンドレ・ブルトン』で紹介され、眼にしていたところなので、特に嬉しかった。かさねて、感謝申し上げたい。

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 尚、会場では京都産業大学図書館所蔵品の他は、三脚、フラッシュなどを使用しなければ撮影可能。楽しく拝見した後、展覧会のチラシとA4版10頁のパンフレット(展示品リスト含む)を頂戴して帰宅。ゆっくりパネルの解説文を読んでいる。

 

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 『マン・レイ』の解説パネル最終段には「今回展示されているブルトンの『狂気の愛』(1937年)にもすばらしい写真を提供している」と記されている。展示で開かれていた頁にあったのはブラッサイの写真だったが、上段のパネルにはマン・レイ撮影の『ひまわり』の写真(部分)が、きちんと紹介されている。筆者に「巨大太陽を想像させるひまわり」について、その種との関係、揺れ動くブルトンの心について尋ねてみたい。---なんて、食後のビール頭で思っています。

 

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 解説パネルは履修生それぞれが、関心を持つテーマを選び担当、時間をかけて作り込んだそうです。ありがとうございました。