アテネ近郊ヒュメトス産(推定)の大理石

 南仏・アルルのローマ遺跡から発掘されたと云う『アルルのヴィーナス』(紀元前1世紀)が見たくて、3時過ぎに京都市美術館へ行った。土曜日の午後で岡崎公園は人だらけ、20分待って『ルーヴル美術館展』の会場へ入った。

 ギリシャ彫刻には虹彩がないとマン・レイは言っていたけど、『トゥキュディデスの肖像』などの数点には認められた(これれらは、クラシック時代だから違うか)し、『アレクサンドロス大王の肖像』では頭部像でも顔の向きなどの表現に工夫があってそれなりに面白かった
 彫刻を見ていると大理石の種類が気になった。キラキラ光る石やしっとり濡れた石、白やピンクの地肌など見ていて飽きない。修復した手足と、基の古石との差異を確かめつつ鑑賞する。展示会場の最終室では3点の大型立像が置かれていた。これに使われた大理石は、それぞれパロス産、ヒュメトス産、ペンテリコン産。中央に置かれた目当ての『アルルのヴイーナス』に使われているのはアテネ近郊ヒュメトス産(推定)との事。ギャラリー・スコープで覗いてみたら、キラキラ光る結晶に覆われていて素敵だった。その他には、レネア産などがある。

 『アルルのヴイーナス』の短い説明文には「ヴェルサイユ宮殿の鏡の間に置かれていた。ルイ14世の旧コレクションから、1798年フランス革命によって接収された」とあった。