スポンタネで昼食会

manrayist2007-10-20

 昨日オープンしたコトクロス阪急河原町店の様子を確認しに10時30分入店。四条河原町北西角の好立地、以前カネボウのあった場所、阪急からは入りやすいが、一階からの進入路は狭い印象。ファッションのOPAQUEは20代後半からのターゲットだろうが、品揃えについては門外漢なので不明。わたしの目的は3-6階で開店したブックファースト。各階の特集コーナーは雑貨店感覚で、これからの頑張りを期待する印象。6階の美術書のコーナーでマン・レイの新刊(註)を購入した。このビル、7階にトイレがあるアナウンスだが、書店側にも女性用が6階、男性用が5階とある。でも、男性側は表示も無く、サービスカウンターのポスターが一杯貼られた奥まった場所で、利用しないでねといったスタンスに感じられた。売場はゆったりした造りで6階には喫茶と画廊のスペースも用意されている。レジはホテルのカウンター風とでも云えるかな、夜10時まで開いているので使い勝手のよい本屋になると期待する。屋上には有料駐輪場、自転車で一般客と一緒に上がるのも面白いだろうな。ところで、レジで精算した時、書店員の名札に「レギュラー○○」の表示。尋ねたら「職位を表す」そうだが、なにか引掛かる語彙だった。

 木屋町、団栗橋、川端通りとブラブラ南下。風が冷たくなっているが気持ちがよい。スポンタネで林画伯夫妻との昼事会。女性陣の初顔合わせとなるので怯えていたのだが、美味しい料理に助けられ、つつがなく楽しい会話の時間となった。これは林夫人の気配り、壁側に女性陣が並んで座った(フランス流)ので、女性同士、男性同士のひそひそ話が、上手くはこんだ理由だね。それで、つい東京での成果などを報告してしまった。食後、店の外で記念写真。若い女性にシャッターを押してもらうの、好きなんだよね。

 それから、ギャラリーマロニエ(3階)での、森岡和世「銅販画の絵草子」展を拝見。天真爛漫な桃子ちゃんが、神話の世界で遊んでいる。つい昨日のような光景だ。ニードルの伸びやかな線がちょっと大人になった気がする。彼女が色彩をどう使っていくか、この先の展開を楽しみに観たい。

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 良い気持ちになって帰宅。時間が早かったので、自転車で外出。再び団栗橋を渡って祇園へ。日本の古本屋で調べていた中西武夫の「東亜の舞踏」(昭和18年、教育図書株式会社刊)を思文閣出版古書部に寄って購入。カバー傷みありなれど1,500円は有り難い。氏が当時、夙川にお住まいだったのが判明。星野画廊、山崎書店と覗いてから府立図書館で中西武夫の略歴調査を行う。昭和5年に啓明社から刊行された訳書「ベートーベン書簡集」を書庫から出してもらい、必要なコピー。氏の略歴については司書の方のお世話になった。この人、画伯と同じ名字、不思議だね。東京で歴史の中から現れた人物の輪郭がしだいに現れてきた。氏がマン・レイと会ったのは23歳なんだ。



 来週、引っ越しするギャラリー16に寄って世間話。このスペースでの展示が終わる事になるのでスナップを幾枚か。その後、アスタルテ書房にも寄って帰宅。すっかり暗くなり、自転車では寒い、7時だった。


(註) 「美の20世紀、No.11 マン・レイ」 アレクサンダー・ゲイムス箸、朝木由香訳、二玄社 2007年10月31日刊 80頁、65図。本体価格1,600円