千葉成夫訳、マン・レイ「自伝」 復刻

manrayist2007-12-06

 昼休みにサザビーズ東京事務所に電話して13日にパリで開かれる「印象派とモダンアート」セールのオークション・カタログを注文。マン・レイの油彩6点が出品されているので、心傷むがエステメは絶望的な数値、ジュリエットの肖像が入っているので欲しいけど6千万はするだろうから、カタログ記載の来歴読書だけが楽しみ。

 


 速攻で職場を出て四条通御幸町西入ルのブテックSHIPS 2階奥にあるギヤラリー蔵を覗く。今日から12日まで京都写真クラブの森岡誠さんの写真展「1982−1996 KYOTO」を拝見する。氏が前回発表されたパリの余韻が京都にもしのんでいる。木造の間からのぞく石の建物、夜を中心として街角の出会いが、エトランゼの眼になっている、人は孤独感とともにしか写真は撮れないんだな。寂しさがなければ作品にならないんだと思った。素敵な蔵の中で写真を見るのは良いものだ。
 四条通りを西に歩き、ジュンク堂書店へ。店内にマン・レイのポスターがあって驚いた。美術公論社が無くなり絶版となった千葉成夫訳による「マン・レイ自伝 セルフ・ポートレイト」が、装いもあらたに文遊社(11月20日刊、本体3,800円)から刊行されているではないか、写真版を厳選した今回の造本はしやれていて、素晴らしい。旧版を何度も読んでいるが、再読しよう。新しい出会いとなるだろう。尚、562頁に「これまでの内外の展覧会図録や文献類、石原輝雄さんによる「年譜・文献」などを参考にさせていただいた。事後ながら記してお礼申し上げる」とある(感謝)。一階に降りて詩書の棚をみていたら、鈴木雅雄さんの「シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数制」(平凡社、12月3日刊、本体3,400円)に気付く。関心領域がドンピシャでまいった。こうした論考をしたいと思っていたのだ(同列にしては先生に申し訳ないが)。レジで精算しながら、銀紙書房新刊ばかりに時間をとられていると、状況を見失うぞと焦ってきた。しかし、今日は沢山払ったな、恐ろしい。