池田満寿夫展、京都写真会議、THE写真宴会

 西大路四条で高校駅伝女子の部を応援してから岡崎へ。星野画廊で世間話、北脇昇の油彩は良いな。続いて博宝堂で油彩額縁の相談。美術館の仕事を沢山やられているようで、O氏のやり方ならば問題が解決するのではと期待した。京都国立近代美術館の「池田満寿夫の版画」展を観る。氏のパートナーであった佐藤陽子さんの元に残された約800点の作品が美術館に寄贈されたのを記念した展示。今回は369点が掛けられているが、やはり初期のエロテックな小品が楽しい。「小さなキッス」も良いが、特に「愛の方法」の10点に見入った。ギラギラとした20代の男の欲望が版面に現れている。それが、テクニックを身に付け、洗練され、装飾的になって、刻む欲望が薄れていくと、版画以外の仕事へ展開せざるおえなかったのだなと思う。
 今回、美術館の展示空方法が変わった印象を受けた。フラットではない空間なので、つねに同じ回廊として用意されていたが、しゃれて巧く展示されていた。こうした方法もあるのだなと思った。常設のアプローチも変わっていたが、ジュージ・シーガルの「ケチャップびんと2個の塩入れのある静物」が良かった。横に置かれたクルト・シュヴィータースも相乗効果で重要さが増していた。でも、明日から3ヶ月ほど、4階のコレクション・ギャラリーは内部工事に入るようだ。

 桝冨で鴨なんばん蕎麦をいただいた後、急いで三条寺町へ移動。ヤマモトギャラリーで吉川恭生の「プラトニックフォト」と相原正和の「Tanagokoro」に注目。ギャラリーカトで中島諒氏と世間話。さらに急いでギャラリーマロニエのレセプションパーテイーに参加。スクラップブックもなんとか持ち堪えてくれたので、安心しながら駸々堂のサンドイッチ等をつまみながら、いくつも函を開ける。昼からのビールには酔っ払うね。会社の同僚も見に来て下さった(感謝)。3時からの「京都写真会議」を聴講。青人社の濱田信義氏がコーディネーターとなって、関西の若手ギャラリストとのトーク。「まず1年続け、3年すぎれば後は何とか、情報交換、各ギヤラリーの横の繋がりが大切だね」 多くのスペースが写真家自身の運営、ギャラリスト自身の表現の場であるような気がした。会場で旧知の相野正人氏(Picture Phoyo Space)と世間話を少々。他の参加画廊主は天野多佳子(Port Gallery T)、奥田健一(ギャラリートラヤ)、谷川奈緒(GALLERY PHOTOGLAM)、友長勇介(Gallery 176)。

 6時に搬出、一端帰宅し、五條楽園歌舞練場の「THE写真宴会」に出席。鳴海餅本店の赤飯弁当におでん、ビール、日本酒、そして歌舞宴曲がついて3500円の会費はリーズナブルだ。綺麗どころお二人にお抹茶の接待を受ける。良いですね。しかし、乾杯の発声を頼まれたので焦ってしまった。会を重ねる毎に会場も整ってきて、ますます楽しく飲み始める。幕があがると今宵はプロの歌声から、キングレコードの股旅演歌・大八木昭久の夫婦まんじゅう、「あなたは白アン、わたしはこしアン。白と赤との夫婦アン」とすこぶる嬉しい歌詞。一同興奮し大いに盛り上がる。桂生まれの歌手は股旅がらすも持ち歌。アンコールで再度、「夫婦まんじゅう」を歌って貰い、宴にも加わってもらって、楽しい宴会のり。こんな時は、八海山や久保田をひやでぐびぐび。次の演目はロジヤー・ウォルチと松本誠によるジャズ・ピアノと尺八によるデュオ。りんご追分などのスタンダードから、二人の自作曲(鬼の子守唄、ライオン)をいくつか楽しむ。次いでセレノグラフィカのペアによる、コケットリーなモダンダンス。ウズウズと我慢しきれなくなった音響担当・木下憲治さんのエレキギターイパネマの娘など3曲(上手になりましたね)。写真宴会のおおとりは、もちろん南京玉簾。めでたく楽しい。これで、新しい年を気持ちよく迎えられそうだ。一同、舞台に上がって恒例の記念写真。そして、後かたづけ。

 小腹がすいたので、祇園までブラブラ。でもめざした店はクローズ。12時をまわっていたからね。それで、木屋町蛸薬師のそば屋、河道屋銀華へ。これはハズレだった。