法事

 法事で妙心寺へ、お墓の掃除を済ませた後、お抹茶をいただく。床の間には梅を描いた水墨、黒楽茶碗に抹茶の緑が映える、庭には牡丹が一鉢。案内されて本堂へ、般若心経を唱える「おっさん」の所作になるほどと思う。心の文化だよね。障子を超えて差し込む光が美しく、障壁画に語りかけるようだ。博物館や美術館じゃなくて、この塔頭で掛け軸を拝見するのが好きだ。

 河原町へ出て、浅水湾で昼食、ビールを少し頂いた後、お開きとなった。赤尾照文堂ジュンク堂、メディア・ショップ、キクオ書店、三月書房とブラブラ。スマートで珈琲と思ったが、順番待ちの人が溢れている。土曜日の夕方だからな。それで、三条御幸町タリーズコーヒーで一服。アスタルテ書房で求めたジョセ・コルテ版(1969年)のロートレアモン全集を拡げる。書き込みがある本だが、雑誌「夜の噴水」に別刷りで入れられているダリによるロートレアモン肖像画が嬉しかった。しばらくして、眼を閉じ、若い娘達に視線を移す。わたしは珈琲ではなくて、女性達を見るのが好きなんだな。さらに、寺町をブラブラして帰宅。