ピナコテーク・ドゥ・パリでマン・レイ展

 3月18日にこのブログで言及した前衛詩人の処女詩集を、同じ平塚の古書店に追加注文した。本日届けられた昭和5年に刊行された一本も素晴らしい。このまま、マン・レイから外れて日本の前衛詩人、新興美術・芸術の領域に踏み込んでしまうのだろうかと、躊躇しつつ、自分に驚いている。マン・レイの遺産に群がる墓堀人が生前の作者の意志を無視して行う展覧会の多くに、悲しみを覚え遠ざかりたい心境の反映だろうと自己分析する。

 パリのマドレーヌ寺院裏手に昨年6月に開館した、ピナコテーク・ドゥ・パリで、アトリエ・マン・レイと題した展覧会が開催されている情報をネットで知った。会期は3月5日から6月15日まで。展示品はスペインからスタートしドイツまで(他の国も回るだろう)巡回される「呑気にしているけれど、無関心ではいられない」と副題を持つ、マン・レイ・トラストの企画による催しもの。---これまでは、すぐにカタログやポスターや案内状を入手するのにやっきになつていたのだが、どうも、調子が違う。「マン・レイの遺品はあるのに、マン・レイが居ない」といった印象を受けてしまっている。