昼から会社を早退し市内北部の美術系大学へ出掛ける。1年前にスペインのマドリッドをスタートし、現在はパリで開催中のマン・レイ展「呑気にしているけれど、無関心ではいられない」のキューレーションをされた人が、教授職で京都にいらっしゃるのを知ったので訪ねた---不思議な縁だ。ニューヨークを中心に準備を進め、マン・レイ・トラストに未整理のまま残されていた沢山の作品や資料を、構成し開催まで5年を費やされたと云う。マン・レイが亡くなった後の混乱についてもいくつか伺った。---ジュリエットに大変な仕事が残されていたのだと思った。だからこそ、「再び一緒」なのかな。美術マーケットと無縁にマン・レイと向き合えれば幸せなのだが、客観的になるなんてコレクターには難しい。スベインでの貴重なエフェメラをプレゼントされたのでニコニコ顔になって記念写真。充実した時間となった。
コーヒーで頭を休めた後、府立図書館へ移動し調べモノ、山崎書店で「春の古書大即売会目録」を拝見し、ギャラリー16へ。セゾン現代美術館で開催中(6月29日まで)の「予言者 マン・レイと20世紀の現代美術展」のポスターを頂く。幸せは重なるものだ。コトクロスの喫茶室に入って牧田真有子さんの「椅子」(文学界 第61巻12号 H19.12.1発行)を読む。「一瞬前と一瞬後をつらぬく、鋭い釘のような鳥の鳴き声で我に返った」出だしから上手い文章だ。この人には可能性があるな。