金沢、和倉温泉

 8時11分京都発のサンダーバード3号で金沢へ。早い出発で眠いのに、指定席の座席が壊れて背もたれのストッパーが反応しない(モハ683-1002 2B通路側)、背筋を伸ばして座る。進行の逆方向だから、これも落ち着かない。長いトンネルを抜けて北陸側に出ると屋根瓦に雪止めの出っ張りがある、冬景色までは想像出来ないが、この地の知人の話など思い出しながら、ぼんやりと眺める。そして、金沢駅着。都ホテルに荷物を預けタクシーで移動。日曜日なので近江町市場は休み---組合に入っている店は総て閉まっているとの事、商売としては日曜日が儲かるけど、休養も必要だよな。金沢では21世紀美術館を楽しみにしていたのだが、ロン・ミュエック展は終了してしまい、レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」も展示替えで下部が閉場。サイトウ・マコトとは波長が合わないし、日比野克彦ならと思ったけど、はずれだった。とりあえず建物の様子をといったアプローチだが、ジェームズ・ダレルもヤン・ファーブルもパトリック・ブランもいまひとつだった。「21世紀の美術」は、作家が世界や時代を意識しすぎて、わたしには遠い。テーマ・パークののりだな。ちゃんと展覧会を拝見したら印象は変わるかと思うが、今日は小手調べ。

 美術館を出て柿木畠の通りに入ると、7月18日に開展したばかりの洒落たブテック「Henley & Marlow」に動向の女性陣が気づいて吸い込まれて行った。彼女達を待つ間通りをブラブラ。古い街の新しい店、若い人達が始めた店は楽しいのだろうな。彼女達は紙袋を持って出てきた。駅からのタクシー運転手さんに教えてもらった蛇之目寿司本店で昼食。昭和6年創業というお店。旬鮮盛りを頼む、甘エビやサンマ、イカと新鮮で美味しい。値もリーズナブル、ビールも頂いた。でも、仲居さんの感じはよろしくない。運転手さんの話では回転寿司がでてくる前から、札で料金が判る仕組みになっていて、お客は計算しながら食べたと云う。そして、隆盛になった店。観光客だからせかされるのはしかたないのかな。広坂通りに戻り森八で干菓子「長生殿」を求め、広坂書房をちょっと覗いてから、兼六園へ。真弓坂から入って翠滝、噴水、ことじ灯籠などを見物。日差しが戻って暑い。雁行橋、明治紀念之標なども観た後、上坂から長町武家屋敷跡へ移動。ここはハズレ。それから。また、移動してひがし茶屋街へ。柳があり二階造りの家が並び、すぐに山。情緒のある町並みだ。ここで1820年に建てられたというお茶屋の建物が残されている志摩を見学。粋な作りの二階客間で写真を幾枚かパチリ。遊女の掛け軸に野の花でしつらえた床の間。琴、三弦、太鼓が置かれて遊芸の雰囲気。奥の間で御抹茶を頂いた。それから、急いで金沢駅に戻り、七尾線和倉温泉へ。

 七尾からのと鉄道に乗り換え、6時前、和倉温泉駅に到着。旅館迎えのマイクロバスで「加賀屋」へ。到着すると荷物を持ってくれた仲居さんが、○○さんですねと、声をかけてくれた。案内された七階の部屋は二方向が窓で、すこぶるよろしい。御抹茶(志摩よりずいぶん美味しい)を頂き、館内の説明を聞き、しばらくして御煎茶を。浴衣は二組(寝ると乱れる)、帯も就寝時用の細いものが別途ある。下駄に合わせた先割れの靴下も。男性の大浴場は三層に別れ、裸のままでエレベータに乗って、各階巡り。やはり露天風呂が楽しい。部屋で頂いた夕食は最高。珍味干口子炙りで日本酒宗玄、続いて大吟醸口吉川と頂く。---相方が日本酒党だからね。