国会図書館と田村書店



東京駅9時15分着ののぞみ206号で上京。国立国会図書館で戦前の詩人達の資料を閲覧。1回の申請で3冊。書庫からカウンターに出てくるまで20分程かかる。マン・レイの挿絵が入っていると聞いたものも含め、なるほどと2冊の手触りを確認する。特別室に回ったりマイクロフィッシュを観たりして時間をとられ、依頼した複写が終わったら12時を過ぎてしまい、初回の3冊で断念。待ち時間に利用者登録を済ませたので残りの閲覧は次回としよう。でも、著作権の兼ね合いで複写の制限を受けたり、マイクロフィッシュ化されて、書物の三次元的出会いを閉ざされたりしたものが多く、つらいアプーローチが続くと覚悟した。
 飯田橋に出て美術洋書専門のアルテリアを覗き店主の高橋さんと世間話。以前、「マン・レイ展のエフェメラ」の計画を伝えていたので、完成の報告。わたしの仕事の「大変さ」を理解して下さり、有り難い気持ちで一杯となった。そして、マン・レイの古いビデオを購入。それから乃木坂へ移動し1時間ほどプラプラ、どうも、話が重い。夕方、神田に出て田村書店で友人と待ち合わせ。丁度、神田明神の御輿が練り歩く時刻で、お囃子が聞こえ血が騒ぐ、棚をゆっくり確認できない。しかし、ここは古書店、図書館とは違うので詩人達の書物が身近に感じられる。戦前の京都の詩人達についての論考を資料コピーで済まそうと思っていたが、イメージがわかないわが体質にあきれる始末だ。一般的な和物ならマン・レイ資料に向ける投資に較べたら可愛らしいものだ----本当かしら。呂古書房でプレス・ビブリオマーヌの小冊子を求めてから、友人と近くの焼き鳥屋で一杯。ビールからすぐに冷酒へ、砂肝の唐揚げが美味しい。しばらくして場所を変え、やぶ仙で続き。鴨なんばざるを頂く。江戸の濃い出汁とバツグンに水切りされた蕎麦が合う。そば湯を飲み、さらに一枚追加し、冷酒も重ねて良い気持ち。もう食べられません。
 酔っぱらって都営新宿線馬喰横山へ、夜の地上では方角が判らない。反対方向に歩いてしまったようで、タクシーのお世話になりホテルへ。夜半に眼がさめ、一日の出来事を振り返りメモをとる。