辻潤 遺墨書画会と尺八の夕べ


家人が出掛けたので夕方まで銀紙書房作業。糊の揮発で頭がおかしくなりそうだが----もう、遅いか---自分の事なので、熱心に行う。5時前に四条烏丸に出てジュンク堂などを覗いた後、徳正寺へ。今日は7時から「尺八の夕べ」が本堂で開催される。辻潤については詳しくないが、ダダとパリのキーワードで遭遇してきた。このところの、戦前京都の詩人に関連し、京都新聞(http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009051200100&genre=J1&area=K00)に紹介された催しが気になった訳。徳正寺は超茶室「矩庵」でも知られ、座敷に入ると奥庭で拝見されている先客を見かけた。わたしの方は林画伯と世間話。すると、扉野良人氏が銀紙書房の古い刊行本(「晶出花」1976年)を手に持たれたので、ビックリ。急いで、記念写真を撮らせてもらった。お聞きすると野中ユリさんにお送りした一冊。京都にお友達がいるのでと、当時、伺ったのを思い出した。

 本堂での夕べは、久保田一氏の辻潤に対する敬愛が感じられる話しから始まった。尺八を始めたのも辻潤への関心からとの事。続いて横山良平氏のパフォーマンス。呼吸する肉体を消して蓄音機をはさんで回る。辻潤の人魂とでもいえようか。そして、尺八家・松本太郎氏の吹奏が笛吹童子から入っていく。これで、年配の多い60人程の参加者の心をつかんだ後、素晴らしい音色で虚無僧曲を幾つか「産安」「山越え」「新月」---曲名間違っているかも知れません。アンコールにも応えられ、「サマータイム」で締めくくられた。音響の良い本堂での薄明かりに、秋野不矩の仏像がアジアの地までこだまし、心に染みる。終了後、近くの居酒屋で林画伯と辛口冷酒を少々。美味しく楽しい話を続けた、有意義な一時だった。感謝。