「仮名手本詩乱四十七行その他」と「山上の蜘蛛」


輪違屋 創業元禄元年(1688年)創業当時の名は「養花楼」。 現在の建物は安政4年(1857年)に再建されたものである (明治4年1871年)にほぼ現在の姿となった)
お使いで島原の手焼きおかきの店、菱屋へ。自転車で近くの置屋 輪違屋と角屋をのぞく、外見だけの見学。前者は非公開(いろいろ事情があって)、後者は料金1,000円(二階の座敷は事前予約で別に800円加算) 見学したいけど懐きびしいからな--- 

島原に入る時に何時も通る道、樹木の感じが独特で、ちょっと恐い。

角屋もてなしの美術館 二階を見上げると幾人もの見物客。

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午後、イノダコーヒ本店で林画伯からお借りした岸本昌久の詩と評論「仮名手本詩乱四十七行その他」(蜘蛛出版社、1970年刊、限定350部)を読み始める。氏のブログにマン・レイの映画「ひとで」が戦前神戸において上映されたと云う特高資料の存在が言及されていたので、いてもたってもいられない状態だった訳。素敵な装幀でしばらく手触りを楽しんだ。ところで、画伯が最近装幀された季村敏夫の「山上の蜘蛛」(みずのわ出版、2009.9.25 2500円)だけど、本のボリュームが内容と手触りに一致して感服した。カバーをはずしてみたところ、絶妙な位置にタイトルが入っていて、画伯の遊び心に、さらに感服。表紙を開いて消えてしまう位置に縦書きで置かれたタイトル、「神戸詩人事件の記憶」を呼び覚ますのは、本を開く事だな。イノダコーヒーを出てブラブラと歩きながら、本のボリュームは、本自身が内容の神聖を訴えるために決まるもの、銀紙書房本にもボリュームを与えなけれならないな、それで、大判のプリンターが必要だと、零細出版社の経営者(?)は悩んでしまった。

ガーデン席で、左は田中栞書肆ユリイカの本」(青土社 2009.9.10 2400円)、他は紹介した二冊。

外箱も素敵だし、背のブルーが効いているな。