SUMUS 13号 「まるごと一冊、晶文社特集」


京都国立博物館「THE ハプスブルグ」展
朝ネットで確認すると待ち時間0分とあったので急いで出掛け、京都国立博物館で開催中の「THE ハプスブルグ」展を観る。16世紀のイタリア・ドイツ絵画は好みじゃないけど、モレット・ダ・ブレーシャの「男の肖像」における手の表現はマン・レイに繋がると思った。17世紀に入ってベラスケスの「食卓につく貧しい貴族」になると光が現れるな。光のない時代の絵画は重くてしんどい、ゆつくり観たら違うだろうけど、ここではしかたがない。今展のエルグレコは今ひとつだな、大原美術館のが良いな。展示品の中で瞳にピントを合わせギャラリー・スコープで食い入るように楽しんだのはアンドリアス・メラー筆の「11歳の女帝マリア・テレジア」気品あふれる美人、11歳だから、参りました。その左に置かれたベラスケスが描いた「皇太子フェリペ・プロスペロ」の病弱な皇太子が付ける鈴には心を痛めた。売店で絵葉書を買いたいと思ったが、この肖像については躊躇した、恐いのよね。


枡富にて
 それから東大路を上がり枡富で鴨せいろ蕎麦を食す。これは美味い。気分が良くなってギャラリー16、山崎書店、さらに界隈を探索しいくつか写真をパチリ。今日も府立図書館へ入って必要なコピー、さらに戦前の新聞のマイクロフイルム閲覧。眼もクルクルして疲れきった。

 4時前、今日の目的である銀閣寺道の古書店・善行堂に到着。均一台が良い作りで楽しく拝見。昨日先行発売となった「SUMUS 13号」が欲しかったのよね。「まるごと一冊、晶文社特集」ひさしぶりのSUMUS、スリムになった本号(6年ぶり)の視覚から受ける手に持った感じって、さすがの林画伯だね。これが、幾つもの山となって善行堂に積み上げられているさまは、楽しくて迫力あふれるね。そして、店主と世間話、先日の「データ」を開示していただく。早く読みたいので、そうそうに店を出た。

「よこちん」作の善行堂均一台(100円から300円)

 イノダコーヒ本店の旧館に入り、アラビアの真珠を飲みながら、早速、山本善行の「晶文社の本について」を読む。パラパラとつぎにどれ読もうかなと思うのは、本当に楽しい。おまけの「晶文社SCRAP通信」なんて時代の雰囲気バチバチで良いな。巻末の「晶文社常備寄託店一覧」も貴重な資料、京都書院のいしずみ店が載っているのが、なんとも懐かしい。

 同書の62頁には、海老坂武の「パリ/ボナバルト街」を取り上げたわたしのアンケートも載っていますのでヨロシク。充実した、一日だった。
価格一冊1,500円+税 古書・善行堂 へ一声お掛け下さい。  

イノダコヒー旧館