林哲夫新作油彩画・ちくま表紙原画展


国立国際美術館でのマン・レイ展が一般公開された最初の休日。家人と連れだって出かけた。彼女もマン・レイ作品を沢山見てきているので、一緒に会場を巡るのは刺激的、わたしが見落としていた幾つもの指摘に眼から鱗の思い。1982年にジュリエットが守るフェルー通りのアトリエを一緒に訪ねた事があるので、ビデオをゆっくり鑑賞---その後に制作された映像なので作品が無くなってしまったアトリエが痛々しいと話す。作品と日常品の境界、オリジナルとそうでない物の混在は、後世の人達に誤った印象を与えるのではないかと感じる意見は家人と一緒だった。マン・レイを身近に感じる人間にとっては、違和感ばかりの展覧会である。会場は土曜日の午後というのに閑散とし、美術館ニュースの新しい号も未刊だった。

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 さてさて、福島から阪神電車に乗り、野田、西宮、三宮と乗り換えて4時前に元町へ。老祥記で豚まんを求め、久方ぶりに店内で食す、懐かしく旨い。---行列が途絶えた時間帯なので助かった。その後、大丸をのぞき、ブラブラと生田筋、東門筋と上がって今日の目的であるギャラリー島田へ。林画伯の個展初日オープニング。ハンター坂の途中で前を歩くN教授。地階の会場に飾られた画伯作品はお人柄そのままで、やさしさに溢れている。それが癒しの方向ではなく、画家の真実の眼に導かれる眼の旅となって心地よい。巴里などの窓や扉の作品はもちろんだし、ちくまの各表紙原画のすがすがしさもまた格別である。
 会場には名料理人にして鍋コレクター、著名な画伯夫人お手製の料理がズラリ---他では味わえない珍しいレシピの数々を楽しく美味しくいただいた。画伯夫妻のお友達や関係者、K氏やT先生とお会い出来て有意義だった。新しい出会いがこれからの仕事の励みになるだろう。



林哲夫新作油彩画・ちくま表紙原画展
2010.10.2(土) - 13(水)
ギャラリー島田
神戸市中央区山本通2-4-24 リランズゲートB1F
tel/fax. 078-262-8058