西院で瀧口修造


アトリエシェア京都 A.S.K

横溝美由紀「Aero-sculpture,BRICKS
アートフェア京都の受付でもらったチラシの「オープン・スタジオ・ウォーク・京都アペルト」の一つである「アトリエシェア京都」が自宅から直ぐの四条外大前を天神川に沿って下がったところにあるらしいので、夕方、期待しないまま自転車で探索した。友禅工場を改装して昨年12月に始動した共同アトリエは三階建で8名の作家が参加されている。ところが、広々とした一階のスペースに掛けられた中屋敷智生の「思い出の夢」からしっかりとした仕事なので驚いた、横溝美由紀の「Aero-sculpture,BRICKS」も面白いので感心しながら拝見、会場のスナップも撮らせていただく。二階、三階と巡って、この春、金沢から移った彫刻専攻の杉山有希子からアトリエシェアの様子をお聞きする。彼女のブロンズの制作過程と供に、空間の自由な雰囲気と、驚くべき廉価な費用で使えるとの話し、オーナーが理解ある方とか。そして、国谷隆志の仕事を知って、ちょっと身震いした。デュシャンはパリの空気を密封したけど、国谷は息を閉じ込める。ネオン管でも、生の痕跡を不思議な残存感として作品化する。そして、観客をも参加者とする新作の「Cash Work」を知って驚いた。オープン・スタジオ・ウォークの二日間限定との事だけど、文鎮の下の1000円紙幣を1000円で購入する動作を記録する仕事。紙幣の制度のアンチテーゼと云うより、手の痕跡をとどめる仕事。面白い。お聞きすると神宮道にあったギャラリー・ココで何度か展覧会をしたと云う、以前、拝見した記憶もなんとなくあるけど、コンセプトをお聞きするとさらに面白い。良い仕事を続ける人だと思った。


国谷隆志


国谷が壁に示した作品解説----「Cash Work 」これは作品である。観客はこれを表示価格¥1000紙幣をもって購入することができる。手数料又は、これにかかるものは発生しないものとし、領収書等も発行しないものとする。 2011.5.21-5.22 国谷隆志

                                • -

 さらに驚いたのは、この後、アトリエシェア京都を辞する時、瀧口修造とミロがコラボレーションした版画が掛けられているではないか、それで、現代美術と古美術を扱っておられるオーナーのO氏と言葉を交わす事になった。新しい出会いである。