実物標準アルバム

台風が近付いてるけど名古屋に帰省。東海道線を熱田まで乗り継いでF書店を覗く。美術関係の棚で、大正10年(大正11年再版)に浅沼商会が発行した「印画紙焼付・実物標準アルバム」なるものを見付けた。著者の木村丑之助についての知識は持っていないが序文は森芳太郎、市岡是空。挿入されている実物印画紙はベルベット、カーボンベロックス、ローヤルベロックス、アーチュラ、アゾ紙(イーストマン)、ピーエムシー、ウエリントン、セルフトーニング紙などなど、銀塩が経年変化しているけど美しい。著者は営業写真士で写真技師らしく、自序で「近来写真術の隆盛と供に印画紙の種類も数多くアマチュア諸君の質問も複雑になりました。本文に説明しました如く、印画紙の焼付には原版の濃度、印画紙の種類、光源の強弱等により一口に明快なる回答を申し上げる事は出来ません。私は之れを甚だ遺憾に思いまして、研究考案の結果『標準アルバム』を案出しました。」と書いている。わたしのように古い写真に感心を持つ者にとってはありがたい資料である。マン・レイが使った印画紙、その特定が重要なのよね、物差しを見付けた訳。F書店ではその他に瀧口修造が「裸体について---写真のための序論」を寄せた古い雑誌も見付けた「NUDE PHOTO 裸婦を写す」(昭和23年、研光社刊)。

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母親と会った後、夜はいつもの「一結に行き兄姉と食事。このところ味が安定して美味しくなったように思う。ながす鯨は肉の刺身で初めての味だし、あいなめの煮付は絶妙、わかさぎのフライも美味、素材が良いのですべてが楽しめる、締めには茶そば。その間、姉の釜飯やら兄の中トロ刺身などもつまみ、八海山を一升以上。それでも酒量は減ったな、兄姉の平均年令 高いからな。