『洪水』 8号

詩と音楽の雑誌『洪水』の8号が出た。特集「湯浅譲二とその花の位」で湯浅と川田順造の対談が興味深い。人柄や状況が判りやすいので「対談」が好きなのだが、「音楽」を標榜する雑誌には肉声が似合う気がする。その流れで編集の池田康が司会を務めたオリーヴ会議での空閑俊憲、林浩平、土渕信彦の話も面白い。もちろん空閑の「エコー」にまつわるエッセイも秀逸であり、楽しく読ませてもらった。この雑誌をわたしに身近に感じさせるのは、土渕信彦の連載「『瀧口修造の詩的実験』の構造と解釈」における、真摯な態度、詩を読む行為の厳しい道のりにある。氏の客観的態度に連帯の挨拶をおくりたい。そしてヨッパライの読者は、今回も「注記」が面白かった。