『三條廣道辺り』特装版


紙の温度 名古屋市熱田区神宮二丁目11番26号  国道19号線に面し、後方の森は熱田神宮

このブログの6月4日に『三條廣道辺り---戦前京都の詩人たち』の特装版に使う用紙を探しに京都市内を回った事を書いた。「ビンテージプリントと調和する和紙」が欲しかっ訳で、名古屋に帰省した先週、品揃えに定評のある熱田の「紙の温度」を訪ね出雲の安部信一郎の雁皮紙など和紙三種類と版画用紙などを求め、昨日から検討を行った。店頭での印象と実際にビンテージブリントを置いて、質感のバランス、書物のなかでの動きなどを考え、先例となっている鳥居昌三の詩誌『TRAP』の用紙(静岡の内藤恒雄)などとも合わせてみたが、和紙の肌が光沢印画紙には合わないとの結論を下した。理屈で考えてはやはりダメで、最初に浮かんだ構想に落ち着いた。それは、本文用紙の連量が大きいもの(テストに使った)を折って窓を開け、ビンテージプリントが傷まないように使う方法だった。平凡なやり方だけど、一番、写真が生きるように思う。特装版は2部だけなので、一般にお見せする訳にはいかないが、制作の過程のみ報告しておきたい。


限定番号2番本

これで著者本の制作も進み、糸縢りをすませ背固めの行程に入った。著者本が完成すれば、いよいよ発売開始である。ご期待下さい--5,000円+送料で対応させていただこうと思っています。