謹賀新年

頌春

本ブログご訪問の皆様、旧年中はお世話になりました。本年も宜しくお願いいたします。
昨年は公私ともに激変の年だった。3月11日の東日本大震災については「決して忘れない、忘れられない」事柄で人の絆の大切さを改めて教えられたが、政治とマスコミの豹変ぶりに「怒り心頭」し東電を頂点とした大企業の隠蔽体質に「NON」、これからは武田邦彦のように事実を見極め、自分の足で歩かねばと強く思う。それ以来、テレビのニュース番組を観ないし、新聞記事も信じていない。それで、パリの五月革命のときのポスターに「PRESSE NE PAS AVALER」と書かれたものがあるのを思いだした。また、勤務先の業績も厳しく、多くの別れを強いる事となった。日本経済が活性化するのは、何時の事だろうか。静かに慎ましく実直に生きる人々の暮らしに、エールを送りたい。

 「私」については、充実した一年だった。長く準備を続けてきた『三條廣道辺り---戦前京都の詩人たち』を上梓し、友人、知人、未知の人にお知らせしたところ、好意的な評価をいただき、限定75部がもう残っていない状況で有り難い事だと思った。原稿執筆の苦労は別として、プリンター故障の対応など本にする過程での造本(印刷、製本などの手作業)の困難も、プログ読者の方々のメールでの励ましによって、乗り越えることが出来たと、改めてお礼を言いたい。有難うございました。
 マン・レイ・コレクションについては、カタログ(1975,1976,2004,2010,2011) ポスター(1971,1974) リーフレット(2004,2011) 雑誌(1936,1947)  単行本(1925,1915/1976,1955,1992,2009) などを加えたが、リストを確認しつつも、悲しくて考えさせられたのは、交流のあったS氏の死去にともなう蔵書類が明治古典会の七夕大古書入札に現れた事だった。幸い友人の好意によって重要な一冊『天使ウルトビーズ』を確保出来たが、蔵書の行く末に心痛める年齢になってしまった。そんな訳で、新収集品を示すような意匠で今年の年賀状を作成した。数年前に纏めた『マン・レイ展のエフェメラ』に挿入した未収集品44点の内、4点を入手した事を報告しておきたい(継続は力なんです)。

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 さて、2012年は、どんなマン・レイと出会うだろうか、諦めなければなんとかなると強く思い、明るい夢をみる。希望はいつも心に優しく、上手くいくだろう。そして、秋には久しぶりのコレクション展を計画。コンセプトは決まっているので、必要な作品、資料を買い足して、展覧会を充実したものにしたい。そして、案内状やカタログを制作し、多くの人にマン・レイの魅力とエフェメラの重要性をアピールするつもりである。みなさんご声援よろしくお願いいたします。

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 元旦のお昼は客人と座敷でお抹茶と主菓子で、新年の挨拶。高島屋の迎春生菓子フリーチョイスは、本家玉壽軒の「昇り龍」「春信」、千本玉壽軒の「初笑」、長久堂の「花佳人」、京都鶴屋鶴壽庵の「壽の鶴」「福寿草」、総本家駿河屋の「干支上用」「此の花きんとん」の8種。上用好きの女性陣は「花佳人」の瑞々しいピンクを所望していたが、わたしはきんとんが好きだ、全種類を味わうわけにはいかないが、今回では黄味しぐれでこしあんの本家玉壽軒「春信」、水仙花が口の中で溶けて美味かった。

 そして、昼から沢山呑みました。田作をあてに八海山純米吟醸、Mさんから頂いて正月にと思っていた活性清酒・濱川商店のうすにごり・美丈夫、若い友人のお土産イタリアのスパークリングBELCANTO DIBELLUSSI、それに、年末の客人から頂いたロートレック生家産の赤ワインChateau Malromeなどをりゅうひ巻で、酔っぱらいました。