インド更紗交流特別展 at 京都生活工芸館無名舎


祇園祭が始まっている(四条烏丸周辺の歩行者天国は宵々々山の今晩から)。明るい時間に出掛けて長刀鉾の厄除け粽を、行列に並んで買い求めた(今年から1000円に値上げ)。そして、町会所に上がり例年通り鉾の懸想品を楽しむ。通りを見ると3時前なのに半端でない人の波、暗くなったらすごいだろうな。身を乗り出して屋根裏けらばの群鳥飛翔図にカメラを向ける(右側に水鳥、左側に山鳥と描き別けられた金地極彩色十二面の板絵)。雅な設えで動く美術館だと思う。



鉾頭長刀、下段は緋更紗地・鳳凰牡丹文様金唐革・切付

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 京都に移り住んで40年、毎年、凱旋船鉾の居祭を拝見してきた。それが、町内の人々の努力によって鉾を復元し、巡行に参加されると云う(2014年が目標)。どの祭でも同じだがハードを揃えても、鉾は動かない。囃子方を復活させ、お手伝いの女性陣を盛り立て、資金の準備をし、気が遠くなるような時間をかけて一歩ずつ近づける---幕末・蛤御門の変での焼失から150年、復活の舞台を拝見できるのは喜ばしい。今年は、最後尾を唐櫃巡行の形で参加されるという。

大金幣

新調された御神体衣装2領: 神功皇后の「白地檜垣に四ツ割菊に葉附き菊文様単狩衣」と磯良の「紅地金立湧に雲板波の丸文様厚板」

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 新町通りをゆっくり上り、昨年の宵山でお世話になった北観音山の京都生活工藝館・無名舎を拝見。今年の吉田孝次郎氏の眼目は「インド更紗交流特別展」300年の時を越えた二つの更紗の出会いの実現である。南観音山の旧前懸・障屏山水文様インド更紗と印度東南部で発見された巨大更紗の図柄に親子関係(どちらも18世紀の作)が認められ、吉田氏の依頼に印度のTAPI Collectionが応えられたと云う。12日からの展示と新聞にあったから眼福と感謝した。
 5時を過ぎても暑さが続く、三条堺町で折り返し(イノダコヒーが満杯でした)室町を下ル頃には歩くのも困難、四条通り出て函谷鉾の祇園囃子を聞く、明日は暗くなってから出掛けたい。浴衣の若い人たちを拝見しなくちゃ---


床面に印度南東部の大更紗、右に掛けられているのが南観音山の旧前掛、折って使われていたので下段2/3の色彩は変化している。

吉田孝次郎邸、当主は忙しい。

北観音山