「橄欖(かんらん)」第2号


長刀鉾の粽(ちまき)には、「蘇民将来之子孫也」のお符。
京都新聞によると昨日の宵々山の人出は29万人(金曜だった昨年の宵々山より1万人増)との事。三連休も本日までとなって、資料整理などする予定だったが、粽を玄関入口上につるして厄難消除を祈願するも暑くてフラフラ、拙宅内は蒸し風呂状態で、汗が資料についてはいけないと、午後は大人しくしていた。
 夕方、クーラーの助けを求めてから、瀧口修造研究会会報「橄欖」第2号を拝読する。白いコットン紙の優しい手触りで中央上段にシンプルに雑誌名。オリーブはもぎ取った後、このような色彩になるのだろうか、良い案配である。第1号に比べると執筆者も増え、背も0.6から1.2cmとなっている。巻頭に置かれた美術家・浅岡慶子のエッセイ「回想: 銀色の葉影」を特に興味深く読んだ、瀧口の書斎に泊めてもらったと云うから、夜半「漂着物」たちの、どんな声を聞いたのだろうか。
 本号では龍江寺のお墓の写真が幾枚か示されているので、富山の地の季節の移り変わりに興味をもった。身体がクールダウンしないと、執筆者のみなさんと瀧口を語るのは難しいと感じる、毅然とした態度が雑誌全体を貫いている様子、これは編集をされた土渕信彦と尾山景子両氏の「愛」によるものだろう。深夜まで待って清家克久の「俳句と詩の架橋---富澤赤黄男と瀧口修造」と土渕信彦の「瀧口修造と小樽---詩「カヒガラ」をめぐって」などの重要な論考から楽しみたい。

瀧口修造研究会会報「橄欖」第2号 2012年7月1日発行 22.5×15.2×1.2 cm. 184頁、限定400部