椎原保展



椎原保 at ARTISLONG GALLERY
マン・レイ展のビラに使うMuseの色上質紙(厚口)を買いに外出。この紙、昔、河原町丸善で求めたもので、残紙で印刷していたのだが、追加が必要になった。ところが、京都市内での取扱店が上手く見付からない、結局、北白川北大路角のバックス画材に出掛けなくてはいけない事になった。自宅からは遠い、自転車で1時間以上の緩い昇り坂、健康にはよろしいけど写真を撮る気分にならなかった(北大路橋からの鴨川が美しいのだけど)。担当者の方と気分よく話しをしながら3パックを確保。すぐに帰宅して印刷をせねばと思いつつ善行堂、ギャラリー16と寄って世間話など。
 暗くなりかけた街を西行、三条商店街アーケードでギャラリーアーテイストロングをちらりと見ると「椎原保展」の表示。自転車を降り、なつかしく拝見する。椎原さんとは同い年で1980年代前半にギャラリー16などで出会い、作品に感心を持って来た。今回の展示は副題に「ephemera/ここのむこう」とある。わたしのキーワードとの不思議な一致。しばらく作品の背景などをお聞きした。会場の写真を撮らせていただき、このブログにアップしながら、アーテイストロングで感じた事柄をなにも伝えられていないと感じる。こんな透明なビンの物質感とは違うところにあったし、反射幕(再帰性反射布)が風に揺れた動きも再現できないし、「光に感心をお持ちですか」と尋ねるところ、「それはない」と言われたし、イリュージョンの仕掛けられた通路で撮った写真も、感じたようには再現できなかった。椎原保の世界に入りきった為の心の動きなんだろうけど、空間構成が「はかなく再現できない」ものである事に作者の感性が充満しているのだろうな。でも、透明で気持ちよい時間だった、知的と言うか、暑くないというか、丁度、今日の風のようだった。有難う。尚、展覧会は明日 10月7日(日)まで。