カレンダー展に「おこしやす」


「SHICO カレンダー展2014」会場 ソーイングカフェ&ギャラリー 風蝶庵

会場から蛸薬師通をパチリ。 住所は京都市中京区蛸薬師通御幸町西入蛸屋町158番地
カレンダーの新作発表が5月に行われるというのは、ファッションなどを例に考えれば、なるほどと思うけど、素人は季節感のズレに戸惑ってしまう。友人のレコードコレクターM氏が仕掛け人となっている地元企業の2014年新作カレンダーの展示会が風蝶庵で開かれている(17日午後4時迄)と聞いたので、仕事の合間に立ち寄った。
 全面ガラスの明るい会場へ螺旋階段を上がると、お洒落な展示空間となっている。若い担当者に企画の意図などをお聞きすると、「京の美意識と新しい感性から生まれた」オリジナル商品との事で、和風テイストがお洒落に楽しく展開されている。年末恒例のカレンダーというアイテムが、贈答品や土産物の出番を待っている感じ。毎日の生活の中に、何気なく置かれて、何気なく気付くセンスの良さ、美術家とのコラボが平面から立体、オブジェとなって置かれている。特にお薦めのカレンダーですと教えられたのは、原田裕子、竹中健司による老舗竹笹堂の手摺木版をベースにした屏風仕立ての「花散歩」「四季折々」と題した「京の木版画」シリーズと、画家・狼林による花鳥画風の博物画屏風シリーズ「白磁」「黄金」。折りたたまれて箱に入ったカレンダーは、従来の大判シート(丸めて筒に入れる)とは違った使い方、送られ方が期待できそうで面白いと思った。わたしの好みでは「謄写印刷」を用いた「京ことばカレンダー」と、組紐の意匠がオブジェ的な「京くみひも」に興味を持った。拙宅のリビングには、いつもこの会社の大判カレンダー「タイポLL」が掛けられているのだが、来年は、ちょっと冒険して、生活のリズムを変えてみようかと思う。若い担当者(この方の頭文字も偶然「M」だった)の説明では、ネット通販もされていると云うので楽しみである(一年は早いよね)。

原田裕子の原画(上段、額入)と「京の木版画・花散歩」

会場展示では、カレンダーと共に、コラボした美術家の原画が飾られている。

        • -

お昼時となったので、堺町まで移動しイノダコーヒ本店へ。噴水の水音と光に包まれながら、絶品スープを火傷しないよう口へ運ぶ。幸せな時間に「仕事に戻りたくない病」がムクムクとうずく。気分を戻して日経新聞を読むと文化欄(経済面は読み飛ばしてしまうのよね)に吉田孝次郎さんの記事「祇園祭彩る謎の朝鮮綴」があった。朝鮮綴は18世紀以前の伝来品で祇園祭の懸想品にも使われていたようだが、詳細は不明と云う。氏は永年にわたり収集と研究を続けてこられたようで、記事中の「山鉾を飾る織物には盛衰がある。」と云う指摘になるほどと思った。色彩ゆたかな絨毯以前の装飾品の盛衰に祭好きの血が騒ぐ。今年もすぐに切符入り---と思いつつ、仕事に戻った。

ガーデン席でロールパンセット(マッシュルームスープ)を食す。