『贈り物』は工業製品だね。


GEORG KARGL - BOX のホームページから写真<6>を転写。
ウィーンの画廊(GEORG KARGL / Schleifumchleifmühlgasse 5 A-1040 Vienna)が、マン・レイ作品の興味深い展示をしていたのを知った(『マン・レイ展』会期; 2012年11月16日から2013年1月12日)。アイロンの底部に鋲を貼り付けたオブジェ『贈り物』を空間に沢山並べる方法で、オブジェ単品のインパクトよりも、工業製品へのアイロニーを感じさせるものになっている。1974年に5,000個製作されたオブジェ( Executed by Luciano Anselmino、 Production: Giorgio Barutti 、Casting: Mirano Foundry)を入手された模様で、画廊のブログに掲載された写真(7点)を見ると、8個並べた棚が3列と、中央部分のモニュメントの塔が確認出来る。恐らく撮影者の背後が窓なので合計は35個だろう、ちょっとした新製品の展示即売会場といった趣きである。壁面には男女のからむレイヨグラフが拡大されたものが掛けられている。はっきり判らないが、こちらの方はギャラリー4運動が出版した限定版カタログに添付されたオリジナルを基にしているかも知れない。マン・レイ作品の高騰が背景にあるのか、痛烈な皮肉でもある。最近では工業製品化されたこの『贈り物』がイタリアを中心としたネットオークションに多数出品されていて、凡そ1個10万円程度で求める事が出来る。---画廊の写真を見ながら取っ手部分を画像化しないのに気づいた。そこにはタイトルと作者名に続いて限定番号が入っている訳で、工業製品を芸術品に仕立て直すプロセスを隠蔽しようとしたのかしらと思った。

GEORG KARGL - BOX のホームページから写真<2>を転写。