瀧口修造のシュルレアリスム


カタログ 29.6×21cm 190頁
小樽で『詩人と美術 / 瀧口修造シュルレアリスム』と題した展覧会が始まっている(市立小樽美術館・市立小樽文学館 5月18日から6月30日迄)。瀧口と小樽との関係については、「自筆年譜」等である程度知っていたので、若い瀧口がシュルレアリスムに開眼した土地で開かれる重要な展覧会だと、開催前から気になっていた。しかし、可処分所得の乏しい身には北海道は遠い。開会式に出席された友人が、会場から「マン・レイ作品が沢山出品されていますよ」(岡崎市美術博物館所蔵品を中心に15点)と電話をしてくれたので、展示を拝見したくなったのだが、こればかりは(涙)。
 それで、同展のカタログを手にしながら「美しくも悲しい物語」を含んだテキストを読んでいる---執筆は巖谷國士吉増剛造亀井秀雄、土渕信彦、池田良平の各氏。近年の調査研究の成果を踏まえ「自筆年譜」に詳細な追記がなされ、瀧口が身を寄せた「文房具兼手芸材料店・島屋」の場所や写真が掲載されているのを興味深く見た。
 展覧会は小樽の後、花巻の萬鉄五郎記念美術館(7月13日-9月23日)、天童市美術館(10月3日-27日)、足利市立美術館(11月3日-12月23日)と巡回する。

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