美の饗演


国立国際美術館

やっと時間がとれて、国立国際美術館で開催中の『美の饗演---関西コレクションズ』を覗く(展覧会は7月15日まで)。関西の国公立美術館6館の所蔵品を集めた企画。わたしのお目当ては、もちろんマン・レイ。どのマン・レイなのか確認しておかねばとの使命感があって早く拝見したかった訳---国立国際所蔵の『イジドール・デュカスの謎』(ミクストメディアの再製作で限定番号9/10)でした。会場は5つのパートに別けられていたが、ブランクーシの「眠れるミューズ」(大阪近美準備室)の白さと「空間の鳥」(滋賀県美)の輝きと影、そして、ちいさくい美しい「新生」(兵庫県美)が良かった。ブランクーシの仕事やヴィヨンの堂々とした「ボードレール」(兵庫県美)の横では、マン・レイデュシャンも余技といった感じだね。コーネルの箱の部屋と云った雰囲気のスペースで、3館のコレクションから出された5点の仕事を前にすると、よく揃いましたねと感謝の気持ちとなった。
 海外から都度招来した作品よりも、日本に置かれ折に触れて見てきた作品の方が、表情をうまく捉える事が出来て良いと思う。美術館の魅力、評価のげんせんは常設展示だと改めて思う。それで、関西にあるマーク・ロスコーが4点(国立国際、大阪近美準備室、和歌山県美、滋賀県美)そろって展示されているのに喜びを感じた。わたしが理解出来る抽象表現主義はこの人ぐらいだろうか(体調によるけどね)。この他で足を止めたのはシンディ・シャーマンの「無題」。和歌山県美に行ったことがないので、今回、5点の所蔵品と接する事が出来て有意義だった。
 それにしても忙しい、5時10分過ぎに入館して拝見。その後、急いで京都に戻ったのでPort Gallery Tには行けないままだった。

阪急電車京都線桂川鉄橋から愛宕山方面を望む