マン・レイ プリントメーカー


中京郵便局(京都市登録有形文化財ファサード保存)

半袖の肌に風が心地よい昼休み、ナウマンさんからの贈り物を受け取りに中京郵便局へ。あまりに気持ち良いので、事務所に戻らず、そのまま烏丸通り三条角のスターバックス開封した。---先日、頂いたナウマンさんからのメールには「貴方のような熱心なコレクターには特別に送るよ」と書かれていたので、待ち遠しかった訳。---覗いて見ると厚段ボールに輪ゴムで案内状とカタログが留められているようだ。珈琲がこぼれないように注意して取りだすと、「アングルのヴァイオリン」が使われたカードに次ぎの表記---
Man Ray Printmaker / September 18 - October 25, 2013 / Opening reception September 18th 6-8 pm / FRANCIS M. NAUMANN FINE ART, LLC
 ナウマンさんは、マルセル・デュシャンの専門家として知られる人で、マン・レイへの造詣も深く、論文も発表され、重要な展覧会も企画されて来られた。そして、ご自身の画廊で版画の仕事に焦点を絞ったマン・レイ展を開催された訳である。カタログによると出品は42作品(石原コレクションと同一品は4点)で、クリュシュ・ベールからアブストラクト・プリント(回転ドア)をへて、西海岸の版画スタジオに至り、最晩年の意識的な再製作を多く含んだマン・レイの仕事の俯瞰がKatherine Slusherによって解説されている。版画については、ほとんどの現物を見てきたので、42作品のチョィスについては不満が残るのだが、廉価だった版画も価格高騰の流れの現在では、いたしかたないとしよう。
 デュシャンは小さな鞄に全作品を詰め込んで旅行が出来るようにしたけど、マン・レイは複製版画を大量に作って、みずからのアイデアを人々の生活の中に忍び込ませようとした。どちらの戦略もアイロニカルで、考えさせられる部分が多い。版画は買わないと決めているわたしに、路線変更の必要を示しているのかもしれない。ナウマンさんどうしましょう。

みずほ銀行側のテラスには素敵な光が(昼休みは短い)---

巻三つ折り、両面マットPP加工のカタログ 21.6×16.6cm

案内状「アングルのヴァイオリン」の色彩版 リトグラフ 1969年 21.6×13.9cm