美学会で木水千里氏が「マン・レイのレイヨグラフ再考」

昼休みに堺町まで歩いてイノダコーヒ本店に入った。やっと隣のビルの解体が終わった様子で、ガーデン席が利用出来る。噴水の水音を聴きながらゆっくりするのは最高の贅沢なんだ。南側の遮蔽物がないので、庭に光が溢れ幸せな気分。アラビアの真珠を飲みながら持参した雑誌を読んだ。

『思想』2012年第10号 岩波書店発行 特集「シュルレアリスムの思想」

立木康介の「狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛」(154-197頁)が面白い。

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わたしの場合、哲学や仏文などの硬い論文を読むと疲れてしまうので、学問の世界には距離を置いてきた(『思想』誌でもついて行けない論考が多い訳)のだが、このところ、若い研究者の幾人かがマン・レイについての論考を発表されるようになったので、視覚的興味ばかりで思想や時代の背景からマン・レイ作品を学問的に考察する努力に欠けてきた身としては、「愛情」に客観性を持たせなくてはとの思いから、学問の世界の動向にも注意するようになった。
 10月12日(土)〜14日(月) 第64回美学会全国大会 東京藝術大学(上野キャンバス) 
 今年の美学会全国大会では、成城大学の木水千里氏が「マン・レイのレイヨグラフ再考――20・30年代の同時代人による受容との比較を中心に」と題した研究発表をされると聞いた(12日 16:20-17:45)。彼女が考査される「写真は指標であるという70年代以降流布した見解からでは見えてこない、マン・レイが考えたレイヨグラフの意義」(発表要旨から)を聴講させてもらわねばと思った(美学会の会員でなくても聴講可)。読んでいた雑誌『思想』から離れて「指標論」をどのように崩してゆくのかと、わくわくした気分となったら、昼休みも終わりの時間、サラリーマンはいけませんね---
 



イノダコーヒ本店 ガーデン席