広島フルムーン 1日目


新大阪駅 さくら541号 鹿児島中央駅行き
若い友人のプレゼントで広島へフルムーン。JR西日本の「ぐるりんパス」を利用したので新大阪からの乗車、お天気を心配しての出発だったが、まあなんとかなるか、広島駅で乗り替え目的の呉駅9時1分着。高校2年生の秋、呉線C59とC62を撮影しに小屋浦に立ったので懐かしい(景色は変わっているけどね)。大和ミュージアム駅から5分、片道の燃料だけで沖縄へ向かった悲劇の戦艦大和を小学生の時にプラモデルで作ったっけ、戦記マンガを貸本屋お好み焼き食べながら読んだよな。ミュージアムのシンボルは1/10スケールの見事な大和、記念写真を撮ってもらった。海底から引き揚げられた品々を見ると、悲しい臨場感。窓際に置かれた人間魚雷「回天」は、乗り込んだら外からハッチを閉める構造と記憶、恐ろしくてカメラを向けられなかった。大型資料展示室には、中学生の時、兄と一緒に松坂屋の屋上で見た零戦(同型機?)や黒光りする特殊潜航艇の海龍。案内板には沈没の状況が書かれてあって船尾の穴に目をこらし乗員を思う、戦争だからしかたがないけど、戦争の事実がここにあるんだよね。海龍のような有翼潜水艇って、小学生の時に鶴舞公園の噴水池で遊んだゴム動力のサブマリンと同じ仕組みなんだ。

深海350メートルから引き揚げられた大和の遺品。左上から15.5センチ副砲砲口栓、伝声管、潜水ホースのノズル、ラッパなど。

特殊潜航艇「海龍」後期量産型 本艇は1945年、船尾部にロケット弾(不発)の直撃を受け沈没、1978年引き揚げ。

零式艦上戦闘機六二型 本機は1945年、吾妻常雄中尉操縦中エンジントラブルで琵琶湖に不時着、1978年引き揚げ。

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次いで潜水艦あきしお(2004年除籍)の艦内に入れるというので隣接する「てつのくじら館」へ(無料)。写真も自由なのでパチリ、パチリ。ここは体験型の施設なので3段ベッドにあがってみると狭い、還暦過ぎの身体では身動きがとれません(悲)。計器だけを確認しての操縦はイメージがわかないけど、昼用、夜用、二本の潜望鏡を覗いて解像力にびっくり。艦内では「昼夜を区別するために昼と夜とで蛍光灯と赤色灯を使い分けた」との説明であった。

発令所の潜望鏡

魚雷格納庫

あきしお セール 全長76m 高さ16m 幅9.9m

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COFFEE HOUSE レスト 大和オムライス
呉駅に戻って昼食、海軍グルメの大和オムライスを食す。懐かしいケチャップ味で美味しゅうございました。雑誌に「大和では縁起を担いで割り切れない数のグリーンピースを置いた。」と紹介されていたので、数えたら5個でした(笑)。
 それから、自衛艦を一般公開している「アレイからすこじま」へ移動(広電バスで20分、昭和埠頭前下車)。受付まで時間があったので旧呉海軍工廠本部という公園から潜水艦桟橋を見学、間近に自衛艦が停泊する場所は国内でも少ないらしい。見学は日曜日限定で1日三回、1時の受付には300人程いたろうか、ここでも写真自由なのでパチリ、パチリ。この日の公開は女性が艦長を努める練習艦せとゆき(1985年進水)。艦尾甲板のミサイル発射装置を見ても兵器のイメージはわきにくいが、近くのプレートには「ミサイルを発射するときは、安全な場所に退避せよ。」と安全守規。船尾の旭日旗がかっこいい。見学は甲板をぐるりと一周だけど、76ミリ単装速射砲の前に立つと軍艦ですね。戦艦大和を見た後だから複雑な心境。

潜水艦桟橋

練習艦せとゆき 68式3連装短魚雷発射管

練習艦しまゆき(隣接艦)

練習艦せとゆき 発射警報など

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さて、急いで呉線山陽本線と乗り継いで広島口へ移動。16時10分発のフェリーで宮島へ渡った。海風が気持ち良い。厳島神社の大鳥居がどんどん近付いてくる、こここは世界遺産の島である。予約した錦水別荘は船着き場前、荷物を置いて、神社に急いだ。表参道商店街を抜けて厳島神社を望むと干潮で大鳥居が姿を現している。御本社にお参りしお守りと杓子(小田亀松商店製作)を求める。火焼前から望む大鳥居の朱色が砂と水と緑に映え、空には夕陽が重なって美しい。潮の満ち引きを思うと、ここは日本のモンサンミッシェルだね。

JR西日本フェリーから

大鳥居 高さ16m 主柱根回り10m


鹿は神様のお使いです。
旅館に戻って18時35分発の屋形船で海上から参拝(満潮は22時46分)。船頭さんの解説も興味深く、幽玄な世界でした。夕方に立った大鳥居を、満月近い夜に見上げると12世紀に戻った感覚、船首に出て、ここでも写真は自由なのでパチリ、パチリ。夜の食事も美味しくいただき、いろいろと世間話、家人には叱られることばかりです。

御笠丸から

さよりが飛んでいます(春と秋の満月で大潮の時期は、この状態との説明でした)。

広島といえば「竹鶴・秘傳」