鳥居昌三詩集


鳥居昌三詩集 18.8×12.8cm 指月社 2013.11.15
詩と書物と酒を愛し1994年4月に亡くなられた詩人・鳥居昌三さんの全詩集が、装幀家・大家利夫氏を発行人とし未亡人の房子さんによって纏められ11月15日に刊行された(限定500部)。そして、対となった英訳がティラー・ミニオン氏の10年をかけた仕事によって「Bearded Cones & Pleasure Blades(髭の円錐と快楽の刃)」と題しハリウッドの出版社higmoonoonから、同じく限定版(1000部)で刊行された。詩人の白石かずこ氏が追悼のエッセイを寄せ北園克衛と山本悍右のデッサン・カットが入れらている(カットは日本語版の方が多いかな)。
 鳥居さんは詩誌「VOU」で活躍し、多くの詩集を刊行、また、自ら海人舎を起こして宝石のような詩誌「TRAP」を出された「詩好き本好き酒好き」の先達。わたしは、拙著「三条廣道辺り」(銀紙書房、2011年刊)で鳥居さんについての思いを書いた。改めて「ユーモア」あふれる彼の詩を読みながら、お酒を呑んでいる。「海人舎のひと」として房子さんが書かれている事柄に、思い出すと涙ぐんでしまうんだよね。ミニオン氏は「鳥居昌三の描く「人間」が面白い。ねっとりとしていて性的で、暴力的であるが、なんとも滑稽である。」としるし、ソルト氏の紹介文では、「天国で魔法の絨毯の雲に座り、いつもの酒を一杯やりながら」と鳥居さんの現在を報告している。詩の言葉の中で彼は生きているのよ、笑っているようだ。

Bearded Cones & Pleasure Blades 20.3×16.5cm highmoomoon 2013