ブルーガイド パリ at ギャラリーマロニエ

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『お・き・ま・り・の・パリ』展(京都・四条河原町上るのギャラリーマロニエで12月10日から15日まで開催)にはエッフェル塔が何本立つかしらと、パパや奥野さんが楽しみにしておられたが、凱旋門はどうでしょう? これも数えなくちゃ(笑) 明治の頃から日本人憧れの「遠き街」パリを彷徨う眼差しを、参加者それぞれが表現された会場になっています(みんな上手いんだよね)。わたしの場合は、良い写真がないので、戦前の絵葉書を使って古きパリを旅行する気分を表現することにしました。もちろん、ちょっとだけひねりを入れています。タイトルにもなった旅行案内書は「パリと近郊の街」を紹介していて1921年の刊行。同年7月にパリに到着したマン・レイを研究するわたしとしては彼が歩いた道筋(通りの名前や番地)を確認するために必要とした訳。通りの名前はよく変わるし、街区改造も多いのです。
 絵葉書のブームは1900年頃と思うが、わたしが探すのは1920・30年代で、実際に使われたもので、写真側に切手が貼ってあって消印のあるもの、特にマン・レイが住み両親に近況を知らせたカンパーニュ・ブルミエール街の絵葉書を探すのだが、これが難しい。ブルトンが住んだモンマルトル界隈は多いのだが、モンパルナスとなると少ない、絵葉書写真には定位置があって、流通するほとんが似通っている。パリから送られて来た絵葉書を手にして、みんな、憧れたのだと思う。その感覚が再現されていれば嬉しいのだけど----

BLUE GUIDES PARIS by Teruo Ishihara, 2013