紙モノのこれから


堀越洋一郎著『電子書籍の特性と図書館』 けやき出版 2013年刊 21×14.8cm 50頁
銀紙書房の活動はDTPによってなりたっている。現在はMACをベースにインデザインからPDFに落としエプソンのPX-503Aで印字出力、手縢り製本で姿を決めている。もともと企業のシステムエンジニアをしていた関係でソフトや機器をごそごそ扱うのが好きな訳、ネットでのモノ探しも、その延長なのだが、堀越氏の研究成果から知る、紙の書籍を取り巻く状況は、わたしが感じている事を明確に示してくれていて参考になった。再現性が保証されないハードとソフトの問題は、スナップ・チャットを支持する若者の心情を反映してか、かえりみられる事がない。マン・レイが生きていた時代の「紙モノ」に時代の魅力を感じるわたしとしては、電子空間に漂う危うさに、恐怖を覚えるばかりである。著者の堀越氏も「紙モノ」がお好きな人種と思われるので、共通する危機感があるのかもしれない。