人文書院100年史


人文書院図書目録 1971年春号 勁版会例会にて 
勤務先近くのウイングス京都で、勁版会の集まりがあったので参加した。例会は京都と大阪で開かれていて357回におよぶという。機会があれば参加したいと思っていたところ、今回のテーマが「小出版社「社史」の試み---人文書院100年史へ向けて」なので、夕方、会場へ。アンドレ・ブルトン集成以来、興味を持ってきた人文書院は、竹田に移るまでの社屋を仏光寺高倉に置いていた。名古屋に居た頃、集成の刊行時期を問い合わせて、何度も葉書を書いたので懐かしい。今回の講師は同社編集部の佐藤良憲氏、最初は「日本心霊学会」として立ち上げた会社で、会報を発行されていたようである。人文書院と心霊治療が結びついていたとは以外な事だが、創業者の渡辺久吉は京都仏教専門学校(現・佛教大学)を卒業しているし、京都と宗教との関係は奥が深い。同社創業を1922(大正11年)11月1日とする資料があるものの、前年に初版が出ている「霊の神秘力と病気」という本があるので(現物を拝見させていただいた)、本当のところは判らないとの話しだった。
 人文書院サルトル全集で、わたしたちの世代には知られるけど、外国文学、翻訳路線へ進まれた経緯なども教えていただいた。8年後(1922年創業として)の100年に向けて、準備を進められている佐藤氏は、史学に関心を持つ若者、新しい人でなければ、「古い蔵」に眠っていた資料の意義に気づく事は出来なかっただろう。関係者がいらっしゃる間に、まとめられ出版されることを願っている。
 尚、仏光寺高倉時代の社屋の写真(なかなか、撮っていないものなんですよね)、「日本心霊」の1915年以前の号などをお探しとの事、どなたかお持ちでしたら、ご一報いただきたい。佐藤氏が喜ばれると思う。

情熱居酒屋 モダンにて
例会終了後、近くの居酒屋で懇親会、みなさん、お酒が大好きなご様子、わたしも沢山いただきました。これなら、次回以降も参加出来そうだ(笑)