50 years of galerie 16 1962-2012


50 years of galerie 16 1962-2012 25.7×18.2×3.3cm pp.472
展覧会の打ち合わせでギャラリー16へ伺い、入り口側のスペースAPERTOを確認(カタログでの出品リストは全51点としているが、井上さんのご配慮で、このスペースも使わせていただける事になった) 。ここのカウンター奥に、先週、名古屋から持ち帰った天野隆一の日本画『渓流』を展示する予定であるし、4日にギャラリートークをしていただく画家の林哲夫さんに、お願いして氏の作品を何点か展示していただける段取りにもなった。戦前の詩人が憧れた巴里と、今、この時に巴里と交流されている(古書店や見上げる窓や美しい人たちを題材にした作品も多い)林画伯の仕事を展示するのは有意義だろうと思う。

 さて、嬉しい話題を--- ギャラリー16は、2012年9月に「リレートーク」をされていて、そのドキメントと50年に及ぶ展覧会の記録を合わせた書物を出された。出来上がったばかりの一冊を手に取ると、ずっしりと重く、シンプルなのに熱い情熱が伝わる記録集である。見返しの赤が表紙の円に繋がっる和風テイストでありながら、独自性を感じさせるのは、京都人の凜とした気品だろうか、デザインを担当された塩田京子さんのセンスの良さに感服した。「ギャラリー16の50年」と題するかと思うが、日本語の表記はなくて「50 years of galerie 16 1962-2012」とのみされるあたりが、現在も仕事を続けられこの先もと--- 思える開かれた画廊のイメージと一致している。わたしが通い始めたのは1975年の夏だった記憶だけど、その年の11月に開かれたベルナール・べッソンの個展なども懐かしい。記録集の頁を拝見しながら、それぞれの展覧会に「内容」が記載されているのに唸った、これまで、いろいろな画廊の刊行物を手にしてきたが、これは出来ない、大変すぎる作業だと思う、いやーー、脱帽の連続です。

 井上道子さん、仙石早苗さん姉妹のお力もさることながら、編集をされた伊藤浩美、坂上しのぶ、塩田京子のみなさんに感謝申し上げたい。トークの文字おこしや古い資料の整理など、地味な気の遠くなる作業があってこその快挙だと思う。いやーー、本当に嬉しい一冊です。


マン・レイが参加(?)した、『THE PARTY』を紹介 72-73頁