『見慣れた街の中で』ほか


牛腸茂雄写真集/見慣れた街の中で(新装版) 山羊舎 2013年刊 限定500部

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名古屋の写真家が上洛したので、『三條白川橋上ル』を納品させていただいた。イノダコーヒ旧館で彼の新作・女性写真(いつも最新作を見せてくれる情熱に驚かされる)を拝見した後、昔話をひとしきり---雑誌『光画』にまつわる「エロテックな墨流し」(前著『三條廣道辺り』に収録)の興味深い展開に、毎度の事ながら涙ながらの応答、「それは『光画』でなくちゃ、『アサヒカメラ』じゃね」と納得。「お礼」と言って牛腸茂雄の写真集を渡された。牛腸といえば『日々』や『SELF AND OTHERS』などの写真集を通して他者の視線を独特の距離感でとらえる作家として関心をもつ人なのだが、名古屋の写真家は、ひどく『見慣れた街の中で』に魅了されてしまい、山羊舎への連帯の挨拶になるからと写真集を幾冊も買い続けていると云う。

友人の写真集。
そして、共通の友人の写真集も見せてもらった。最近、入手したと云う。学生運動を撮ったオリジナル写真を貼付けた手作りの一冊で、文字情報はなにもない、無記名、無刊記。簡単なメモ撮りをその場でしたけど、これは素晴らしい写真集である。全日本学生写真連盟運動の近くにありながら、独自性を発揮し無名を貫いたとは。還暦を過ぎて手放した共通の友人のあっぱれぶりに脱帽である。敬意を表して写真集の中身は紹介しないことにする。

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くも子塩焼き
その後、洛旬万菜「こしの」に移動して、さらにビールを一杯。あたらしいメニューが追加されているようで、酒盗鍋をいただいてから、くも子塩焼き、かきフライ、だし巻きなど。獺祭を冷やでやってから、古都を熱燗で。名古屋の写真家は枝豆が好物なので、その間にわたしはくも子をパクパク、ひさしぶりによく呑みました。美味しゅうございました(感謝)。

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枝豆