パリからの結果報告


AUCTION RESULTS
昨夜ロンドンの錦織圭の試合に興奮したけど(残念でした)、パリでは、マン・レイのオークションが開かれていた。ネットからの参戦で興奮と云う選択肢があるとはいえ傍観のスタンスで望んだ(当然ですが)。朝一番に落札結果を確認したところ総額で4億円弱。272ロットの内、落札されたのが176ロット(64.71%)にとどまり、落札予想価格を超えたロットが51、最低予想以下が10と低調な結果となった(ロット数はざっと集計)。ある程度の予想は出来たが、20億円以上の価値を見込んだマン・レイ財団としては厳しい現実といったところだろうか。
 1,500万円を超えた高落札品は油彩の『から騒ぎ』(Lot.25)『紫の仮面』(Lot.5)、カタログの表紙にも使われたオブジェの『われわれすべてに欠けているもの』(Lot.99)、それに「金」が使われている宝飾品の『未解決の耳飾り』(Lot.185)といったところで、最低価格(29万円)はセントラルパークの俯瞰写真だった。わたしもマン・レイのコレクターだから、他の人達や機関の狙い所などの見当がつくので、いまさらの観も強いが、知られたシメージでもモダンプリントが多い写真群は反応が鈍く、ドヌーブなどの美人が写っているものは、それなりの価格、資料的な意味あいでデュシャン関連は堅調といったところ。未落札が多かったので、50年代のカラー・ポートレートやデッサンなど、上手く間を抜けば入手可能となっただろうが、心躍るロットが少なかったというのが正直な感想である。(尚、価格は販売手数料等込み。)
 このところの市場には、マン・レイ作品が多量に出ているので、ビット側は余裕をもって参加できるし、品物を判断する資料も整理された関係で「マン・レイ=古い=貴重=高い」といった図式は過去のものとなっている。やはり、良いモノだけが魅力的で「高い」訳、みんな知っているんですよ。