鯉山のお話


「新柳居」小島邸 明治32年(1899)澤村太七氏新築 京都市景観重要建造物

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夕方、祇園祭りの鯉山ご町内の山本彰彦氏ご夫妻による「祇園祭のよもやま話」をお聞きする会に出席した(処:京町家キャンパス「新柳居」)。京都に来た年から絨毯の美しさに見とれた鯉山は、子供達の可愛い宵山の歌声にも魅力があって、ローソクも献じさせていただいてきた。---「鯉山のお守りはこれよりでます。明日はでません今晩限り。ご信心のおん方様は、受けてお帰りなされましょう。ローソク1丁献じられましょう。ローソク1本どうですか。」今年も、もう一ヶ月先となった。楽しみだ。
 そのご町内でベルギー渡来の謎を調査された野口安左衛門氏のご家族による、思い出話なので興味深かった。明治から昭和初期の人達の欧州への憧れ、室町の呉服関係者の知識欲、織物に対する博識故に大切にされた懸想品、人々の情景を垣間見るようだった。野口家のお嬢さんだった山本智代夫人の「当時は1時間ほど学校へ行き、早く帰らしてもらって、お風呂に入り、紗の着物を着せてもらって」「おいなりさんをこしらえて」などと、女性の楽しみも聞かせてもらえた有意義な集まりだった。
 祭りに魅せられ、一途に[B.B]の謎を解明しようとした先人、好きな事だけをする人達の熱情に文化が宿ると、ささやかなマン・レイ・ファンも、我が道の正しさを再確認したのだった。「奥さん、ごめんなさい」(反省しております)

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2014年 祇園祭り 鯉山

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京都学園大学・京町家キャンパス「新柳居」新町通錦小路上ル