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Lot No. 33 MAN RAY A L'HEURE DE L'OBSERVATOIRE: LES AMOUREUX Signed, titled and dated 1932-1934 Oil on canvas 99 x 250cm.

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京都は朝から雨降り、家人が外出しているので、古い資料をパラパラやりながら、マン・レイの事を考えています。開いているのはマン・レイの友人であるウイリアム・コプリーのコレクショが売り立てられた1979年11月のサザビーズ・パーク・バーネット(ニュー・ヨーク)のオークション・カタログ。折りたたまれたページを開くと油彩の大作『天文台の時刻に---恋人たち』が紹介されている。マン・レイが1948年にコプリーに手放した記念碑的作品。セールでは専門家の示す予価を遙かに超えての750,000ドル(当時のレートでの邦貨換算は1億8750万円)。この油彩については、(故)瀧口修造さんがコプリー家の寝室で対面したと、エッセイで触れられているけど、日本人で観た人は何人いるのだろう?  落札者はある海運王だと噂されているが、オークションの後、公衆の目に触れたとの情報を得ていない。油彩は、今、どこにあるのだろう、観れるものなら、拝見したい。「展覧会に出品されるのならば、飛んで行く決意なんだけど」。観ないことには「マン・レイの油彩」について、論を進めることができない、図像の解釈ではなく、絵肌こそが、マン・レイの心情を語ると、わたしは、情熱的に信じている。雨降りの室内で、こんな事を考えているとモンモンとしてしまいます。



掲載写真は、カタログの落札予想価格のページ。ここに「33 Refer Department」とある、出品316点のうち、エルンストの2点も、この扱いである。