藤田嗣治の白い肌


名古屋画廊 巨匠にみる「絵とは何か」展 No.17---西洋の視点・東洋の視座
9月28日[月]〜10月3日[土] 10:00a.m.-6:30p.m. 日・祝休廊

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久方ぶりに値段の示された藤田嗣治の油彩をじっくり楽しんだ。秋の良いお天気の中、伏見の名古屋画廊で来週から開かれる「西洋の視点・東洋の視座」を拝見。本展はビックネームがそろって見応えばつぐん、大通りに面して佐伯祐三、金山平三の優品が掛けられているものだから、入室までにやられてしまいます(笑)。東山のブルーと藤田の乳白色が織りなす緊張感は、どちらもミュージアムピースの貫禄。展覧会の案内状に名古屋市美術館副館長の深谷克典さんは「抜けるような白い肌の持ち主ゆえに「ユキ」と名付けられた彼女は、藤田が考案した乳白色の下地を存分に生かすことのできる最高のモデルとなった。」と賛辞を寄せている。今回の展示では、買えない身のサラリーマンコレクターにしても、巨匠の油彩が価格表記と共に展示されているのに、好感を持った。このような藤田の油彩は、どこかの美術館が購入し、広く人々に見せてくれる事を切に願う(みんなのための文化だよね)。通りをはさんで徒歩5分の距離だから、名古屋市美術館が購入してくれないかしら。

藤田嗣治「横たわるユキの肖像」1927年作(25号)を解説される中山真一氏。(左は東山魁夷「星降る夜」1966年作40号)

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「素敵な絵、美しい人ね」

案内状、裏面には深谷克典さんのテキスト「藤田嗣治「横たわるユキの肖像」---先人未到の裸婦」