名古屋で-2

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昨年から気になっていた愛知県美術館での『ピカソ、天才の秘密』展を拝見(1月3日から3月21日迄)。所蔵者に関心が向くのは悪い癖なんだけど、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館蔵の『長いひげの裸体男性像』の陰茎が妙に赤い、モデルの状態、顔と同じように「赤ら顔」なのかしら。愛知県美術館の『青い肩かけの女』は、単独で観るより、時代の中に置く方が、しっくりして、よろしいな。海外所蔵館のものでは、ワシントン・ナショナル・ギャラリーの『扇子を持つ女』と、洲之内徹コレクションの「ポアソニエール」を連想してしまったフィラデルフィア美術館の『パンを頭にのせた女』、きわめつきはパリ国立ピカソ美術館の『裸の少年』。ピカソは本当に上手い、天才だよ!  本展には国内所蔵品が多く出品されているようだが、ポーラ美術館の『母子像』などが、幼い友人を持つ身に、力強い作品にうつった。展示替え(前期2月14日迄)があるので、カタログにある全てを観る訳にはいかないが、広々とした空間で、優品とじっくり対話できて幸せだった。20代の頃(年齢的にはピカソが『扇子を持つ女』を描いていたのと重なるけど)、デートをした女子高校生が「ピカソの青の時代が好き」と言っていたのを思い出した。そんな余韻を持って常設展示に入ると『1945年からのシュルレアリスム』の展示、これも面白い(感謝)。


カタログ 作品リスト91 28×23cm pp.180