オブジェをめぐって


ozasahayashi kyoto 西陣産業会館207号室 見上げると展覧会の表記。

50人以上の聴講で始まりました。

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雪の舞う京都で、現代美術家岡崎和郎氏とデュシャン研究の平芳幸浩氏による対談『オブジェをめぐって』が行われた。全国からコアなコレクターや研究者、美術家、ファンがつめかけ、会場のozasahayashi kyotoは始まる前から熱気に包まれた(司会・進行はHaga Michikoさん)。作品が会場に緊張とハレを演出しているのだろうと思う。「シュルレアリスム的なオブジェがあるけど、それ以外のオブジェもあるかもしれない」「オブジェとマルチプルは違う」「表現にはエゴが出る。若い人のものには多いけど、それは良くない」「精巧に作るのは個性を無くすため、丁寧に作るとエゴが消える」「芸術の問題の前に人間の問題がある」など刺激的な発言が続き、改めて岡崎作品の背景を考えた。岡崎氏にはマン・レイ作品から連想された『贈り物』と題された作品があるのだが、お話を聴いているとその意図が良く判り嬉しかった。



平芳幸浩(左) 岡崎和郎(右) のお二人

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「ある人には意味があるけど、ある人にはガラクタで、僕のものだって捨てられたものは一杯ある」と岡崎氏。『贈り物』繋がりから「岡崎さんのオブジェにエロテイシズムを感じるのですが」と尋ねてしまった。
 戦略的なデュシャンの生涯をオブジェの宿命とともに作品保存の問題とからめてとらえるのは、わたしのようなコレクターにとって重要で切実な事柄である。予定された90分は、あっと言うまに過ぎてしまった、そのあと会場ではワインが振る舞われたので、ちょっといただき、いろいろな方々と言葉を交わす。街路の雪景色が眼に心地よい夜となった。

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ピンク色のエロティックなハートが『贈り物』

台座には『GIVEWAYPACK 2』