写真集は手で感じる

4月15日 ー2

SferaBuilding 京都市東山区縄手通り新橋上ル西側弁財天町17

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祇園縄手のステキな空間で、カメラメーカーのSIGMAが集めた写真集を公開している。およそ800タイトルで、これも「京都国際写真祭」の展示の一環(5月14日迄)。全冊閲覧可能と云うのが嬉しく、和書洋書、新版絶版のラインナップに未見のマン・レイが含まれていないかと期待を持って会場に入った。---SIGMAのコレクションは近年のスタートだそうで、稀覯本は含まず、新刊のマン・レイも登場しなかった。でも、最近の写真集に食傷ぎみのわたしにとっても、ゆったりとソファに腰掛け写真集を手にするのは格別である。立ち見や図書館での閲覧では、写真が心に響かないから、良い機会だった。


ロバート・フランクのコンタクト・プリントを大判で再現した「The Americans, 81 Contact Sheets」は眼福。架蔵する『私の手の詩』(邑元舎、1972年刊)の版元の情熱が今も燃えていると知って嬉しくなった。普及版(限定220部)でも365,000円と云うから、ほんと、拝見するだけです。

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写真祭の企画者であるルシール・レイボーズと仲西祐介の選んだ写真集の中に東松照明の「CHEWING GUM CHOCOLATE」があった。拝見したけど洋風で違和感、再構成する写真集の難しさを思う、時代が欠落してしまうんだよね。

スフェラ・ビルの地階でも展示、今年のテーマにちなんだ選書が、レイボーズ、仲西の他、小笹哲哉、田口覚、鈴木理策川内倫子の各氏によって示されている。