『ボクシングの試合』 まで


京都国立近代美術館での『泉』100年キックオフ・イベントのチラシ

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『泉』シュワルツ版 ed.6/8

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デュシャンへの関わりから逃れようと思っているのだけど、マン・レイの友人なので無視する訳にもいかなくて困っている(本当ですよ)。拙宅での極小展示はFBで紹介しましたが、その中にある『ボクシングマッチ』について、補足をしておきたい。玄関に掛けている同作はマン・レイのサインが入ったed.24/100、デュシャンの『大ガラス』で独身者の運動を花嫁につなげる重要な運動を受け持っていて、東野芳明は「「ボクシングの試合」では、上下における落下と上昇が展開し、「重力」がペテン師によって自由に左右されている。」(『マルセル・デュシャン』美術出版社、1977年刊、168頁)と解説している。未完成となったガラス上には再現されなかった部分だが、昨日、久しぶりに「完成された大ガラス」の版画を観たので言及したくなった。どうして動きを解説するタイポグラフィーとセットでマン・レイのサインを入れた版画として世にだされたのか、この経緯を知りたいと思いつつ、今朝も見上げている。



大ガラスと関連作品 部分 (シュワルツ版)

ボクシングの試合 ed.24/100