山本悍右 新刊 


fapa book vol.4 山本悍右 21.×15.2cm pp.96 初版600部

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マン・レイ以外はパスするぞ!」と一昨日のブログで宣言したけど、山本悍右先生の新刊に関しては、手許に届けてもらわないと心が折れる。戦前からのシュルレアリスト、生涯を自由、反戦、反権力を軸とした表現で貫き、詩的な美しさの中にユーモアのスパイスを効かせた写真家で詩人で哲学の人。中央の権威主義から、自らを守った孤高の人。主な発表が「夜の噴水」や「VOU」などのリトルマガジンや小規模なグループ展であった関係で、あまり知られていないが、高校3年生(1969年)で出会ったわたしは強い影響を受けた。その先生の仕事を紹介する新しい本が日本芸術写真協会(FAPA)から刊行された(2017年4月)のを、ある方から教えていただいたので、早速、送っていただいた。実に洒落た仕上がりの本となっている。昨今の写真集とは異なる品の良さで、「夜の噴水」を発行した人の本らしくて嬉しくなった。アートディレクションは田中義久、背の布がなんともチャーミングである。写真とテキストが溶け合って、この本、なんと呼べばよいのかしら。


4-5頁

新刊(左)の表紙を飾る『バタフライ』 右側に並んで飛んでいるのは架蔵する氏生前の著作『バタフライ』ed.40/300 (亀山巌版元の名古屋豆本第17集 1970.2.28印刷発行)

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32-33頁