角背上製本

銀紙書房 通信


表紙平のくぼみは0.5mm程度で作業

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本文用紙を47.50kg程度にしている最近の銀紙書房本は、くるみ製本を用い、しなやかで手触りの良い、洒落た仕上がりになっていると思うが(本人談です)、今回の『石原輝雄 初期写真 1966-1972』は写真集として構想し、印刷品質と裏写り対応のために、連量を71.50kgとした関係で、手触りが重くなってしまい、結果として角背上製本を採用することにした。ハードカバーの本は、これまでにも『マン・レイと彼の女友達』(1978年)や『青い言葉と黒い文字』(2006年)などで制作してきたけれど、工数も多く、表紙の意匠(エンボスなど)も含め、手作業で上手く作るのは難しい。今回は、解説書やネットでの「How to」を参考にダミー制作に掛かっている。でも、著者によって内容が大きく変わるので、経験と照らし合せた数値(平や背の寸法など)で作業に入っているものの、ややこしい。その原因はプリンターの制約でカバーサイズが決まっている事に起因する。造本を表現と捉えているので、解決を見付けたい。



バーの製本クロスは色番号4087