夢見るモダニティ、生きられる近代


『夢見るモダニティ、生きられる近代』 執筆: 田中正之、小林剛、平芳幸治、瀧井直子、内山尚子 ありな書房、2017.1刊 21.7×15.3cm pp.220 本体価格4,500円

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マン・レイキュビスムの画家として出発した、1910年代ニューヨークの美術状況に関心を持っているので、本書の興味深いテーマと切り口に、思わず引き込まれた。特に京都国立近代美術館で催されているデュシャン『泉/Fountain 1917-2017』の共同企画者である平芳幸浩氏が第2章として執筆された「ニューヨーク・ダダからソシエテ・アノニムへ」には、コレクターのキャサリン・ドライヤーが「アメリカの大衆社会がそもそもダダであるという認識」を持っていたとされるなど、俯瞰の視点を幾つかいただき有難かった。---コレクターの友人、知人と平芳氏のギャラリー・トーク(20日)に参加したいと思っているので、白熱した会場になるのを期待している。