祇園祭--4 (岩戸山)


岩戸山御神体

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松田元氏の名著『祇園祭細見』(1977年)に「国生み」と「天の岩戸」と云う二つの神話を合わせた岩戸山の経緯について興味深い考査が述べられている---「共に神話であるはいえ、混合して考えることのできない二つの話を合併した理由を考えてみるのに、明応の再興に際し、この町内では古例を重んじる岩戸山派と、新興の意気に燃えて天地創造をテーマに選ぶさかほこ派とが対立したとも考えられる。」(67頁)。毎年、滴の垂れた矛をもって屋根の上におられる伊奘諾尊を見上げる度に、その意匠の良さに惚れ惚れするのである。