今井祝雄 ─ 余白の起源


今井祝雄 ─ 余白の起源
2017.9.2(土)-9.30(土) 日時:火-土11:00-18:00 休廊:日・月・祝 at ozasakyoto(堀川今出川南西・西陣産業会館207) 協力:ARTCOURT Gallery

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このブログのタイトルを「マン・レイと余白で」としているように、わたしの「余白」への関心は強い。紙片の余白、頁の余白、キャンバスの余白、などなど、どこにでも存在しえて捉えられないもの。境界の「美」と言えるようなものであって、従属しないもの、すでに、人生の余白を生きている身には、なんとか、爪を掛けている思いがそこにあるように思う。長く作家活動を続けてこられた今井祝雄さんの今回の展示で、クラインブルーと双璧をなすイマイホワイトの魅力に改めてたじろいだ。緊張が影に落ちている気分。画廊の空間を観ると、手の痕跡がいくつか盛り上がって、余白は余白でも、ここは「空間の余白」。内と外に肉体を移動出来る快感に感謝。展覧会では素敵な小品も幾つか展示され、赤い印がマトリクスを完成しかかっていた。それは、愛すべき余白、胸にかかえて、眠ってしまえるような、優しさに満ちている。尚、初日2日の夕方、制作の実演と平井章一氏(京近美主任研究員)と今井祝雄氏によるギャラリートークが催された。

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origin of the blank - to Mr. M.T.  2011年

展示されたキャンバスを支持体とする作品の主要なタイトルは「絵画または余白」1971年→「フレーム考」2010年→「余白の起源」2011年と続く、それでは、画廊に残ってしまった、手の痕跡、余白の切れ端たちは、なんと呼ぶのだろうか?