羊まるごと食べつくす at 無名舎

祇園祭りの懸装品から繋がったご縁で、「羊」愛一筋に生きるHさんによる本格的な「羊」料理のご相伴にあずかった。ジンギスカンではありませんぞ。まず、15ヶ月の「羊」のローストから、美味しいです。マスタードをつけてビールをグビ、グビ。フランスパンにチーズと贅沢です。メインは胃袋に骨付き肉や玉ねぎ、ハーブなどを入れて茹でた一品、通常は頭や足などすべて入れるのを、今宵は入門編と云うことで、肉を多くされ、頭はありません、Hさんの説明では脳みそが美味しいそうです。素朴なうす味で、草原にいるような感覚を持ちました。「羊」は肉の部分がすくなく、肉は乾燥させて保存食にし、内蔵類はこうして食すとの事。しめの「うどん」もスープが美味しい。塩を追加するよりも、わたしは、そのままが美味しかった。

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Hさん

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京都市北区にあるスピナッツは、「羊」愛一筋に生きるHさんの拠点。会社の案内には、Spin(紡ぐ)とNuts(夢中になる)の二つを繋げた造語Spinnuts(スピナッツ)を社名にされておられるそうで、出版に関するページには「このスピナッツは、手芸に夢中な羊マニアだけじゃない、8000年の昔に思いをはせるロマンティックな羊物語や、伝統の技術を掘り下げるディープワールドだけじゃない。現代に生きるリアルな羊と羊毛を、いろんな角度から掘り下げていきたいと思います。羊をめぐる衣食住、すなわち人の暮らし全て、スピナッツの土俵はワールドワイドに広がります。」とありました。羊の絨毯に頬よせて満面の笑みをふるまいておられたHさん、「愛一筋」はマン・レイの場合も、同じであります。


『羊料理の本』 スピナッツ 2001年刊